兵庫県庁で
あの「はばタン」“老後”をめぐって議論
大阪夕刊
「のじぎく兵庫国体」のマスコット「
はばタン」の“老後”をめぐり、兵庫県庁で議論が起きている。「子供に大人気で、県民にも深く浸透している。閉幕後も県のマスコットとして活用すべきだ」という声の一方、「国体で役目は終わる。中途半端に生き残るより、悠々自適の暮らしをさせてあげれば」。10月10日の国体閉幕後、議論はさらに盛り上がりそうだ。
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井戸敏三兵庫県知事(右)と一緒に踊るはばタン=神戸市須磨区のユニバー記念競技場 |
はばタンは、国体のマスコットとして阪神大震災から復興する不死鳥をイメージして平成15年に誕生。当初の知名度は低かったものの、国体実行委員会事務局などが81体の着ぐるみを作製、イベントなどに積極的に登場させたところ、子供を中心に人気が急上昇した。
現在、はばタンの販売グッズはタオルなど300種類以上。着ぐるみのイベントへの出張回数は3000回以上にもなる。グッズを取り扱う「ヤノスポーツ本店」(神戸市中央区)によれば、特にぬいぐるみが人気。最近ではぬいぐるみを中心にグッズが1日150個ほど売れる日もあるという。
今年8月には、はばタンの話題がマスコミで紹介された後、国体のホームページにアクセスが集中してサーバーがダウンするという珍事まで起きた。
こうした人気にあやかり、「閉幕後もマスコットに」という声が強まる一方、「あくまでもはばタンは国体PR用」「著作権をフリーにして豊岡のコウノトリのように自由に羽ばたかせた方がいい」という声も根強い。
ただ、埼玉国体の「コバトン」、岡山国体「ももっち」など、ここ数年、国体マスコットが県のマスコットにスライドしているケースは多いものの、その後の人気は今ひとつ。関係者の中には「中途半端な形で生き残り、人気が落ちてゆくのは見るに忍びない」という心遣いの声もある。
今月初め、兵庫県の井戸敏三知事は「県のマスコットとして活用するのも選択肢の一つ」との見解を示した。しかし、実行委員会事務局は「今のところ全く未定」。本格的な“論戦”は国体閉幕後となる。
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