テレ東「忠臣蔵 瑤泉院の陰謀」
新春ワイド史上初 女性主役に稲森いずみ
東京朝刊 by 安藤明子
吉良邸討ち入りの首謀者は大石内蔵助にあらず…。テレビ東京系の新春ワイド時代劇「忠臣蔵 瑤泉院の陰謀」(来年1月2日正午)は、ご存じ「忠臣蔵」を全く新しい視点から描く異色作。今回で29作目となる新春ワイド史上初の女性主人公に稲森いずみが挑む。
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今までにない行動的な瑤泉院に挑む稲森いずみ(右)。新春ワイド時代劇初の女性主人公だ(左は高嶋政伸) |
赤穂浪士47人が主君、浅野内匠頭の敵を討つまでの実話が題材の「忠臣蔵」は何度も舞台、映画、ドラマ化されてきた時代劇の決定版。テレ東の新春ドラマでも3回放送したが、今作は稲森が「今までにないアクティブな瑤泉院。視聴者の方もびっくりすると思う」と目を丸くする内容だ。
原作は、湯川裕光の処女作「瑤泉院 三百年目の忠臣蔵」。膨大な資料に裏打ちされた実証的な語り口で、あだ討ちの首謀者は内匠頭の才色兼備の未亡人、瑤泉院だとする小説を2年前に読んだチーフプロデューサーの佐々木彰は「発想そのものが実にユニーク。時代劇の主役が男性である必要はない」とドラマ化権を獲得。せりふの少ない原作の脚色をベテラン実力派ライター、ジェームス三木に託した。
「原作がおもしろかったので、アッという間に書けた」というジェームス脚本の売りは瑤泉院、内蔵助(北大路欣也)と幕府側の柳沢吉保(高橋英樹)の3人の視点で物語を進行させ、ナレーション代わりに浄瑠璃を使う手法だ。3人のキャラクターも、瑤泉院は吉保と内蔵助の直接対決を画策した行動的な女性、内蔵助は瑤泉院の熱い思いを受け止める、より人間的で魅力的な男性、吉保も懐の大きい人物にそれぞれ“変身”。
稲森が「やるときにはやる頼れる女性を演じたい」といえば、北大路は「内蔵助役は3回目だが今回が最も熱く燃えないといけない」。そして初役の高橋も「この吉保は内蔵助たちと一緒に風呂まで入っている。何人かの政治家を組み合わせてイメージ作りをしている」と意気込みを話す。
女性の視点から「忠臣蔵」を扱った作品としては橋田壽賀子作「女たちの忠臣蔵」(昭和54年、TBS系)がある。が、「銃後の女性を描いた橋田さんのドラマと違い、こちらは元禄の時代にも自ら動いて時代を変えようとした女性がいたという視点で描きたい」と佐々木。
ほかに高嶋政伸(浅野内匠頭)、松坂慶子(内蔵助の妻・りく)、萬田久子(吉保の側室・町子)、江守徹(吉良上野介)、津川雅彦(徳川綱吉)らが出演。
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