「The Shape of Jazz to Come〜NEW JAZZ 2006〜」に出演
話題のサックス奏者 菊地成孔に聞く
東京朝刊 by 安田幸弘
「時代をリードする鬼才」と呼ばれる話題のサックス奏者、菊地成孔(なるよし)が22日、ジャズフェスティバル「The Shape of Jazz to Come〜NEW JAZZ 2006〜」に出演する。自身のバンド「クインテット・ライブ・ダブ」での参加で、異彩を放つ奔放なメロディーに注目が集まる。
菊地は多彩な「顔」を持つ音楽家だ。フェスティバルで演奏するのはジャズだが、手がける音楽はダンスミュージックからテクノ、現代音楽まで幅広い。キーボード奏者としても活動する。
教壇にも立つ。一昨年から昨年にかけ東大の非常勤講師としてジャズ史を教えた際、モグリの受講生が殺到するほど話題を呼んだ。今春からは国立音大の非常勤講師に。私塾の「ペンギン音楽大学」も運営する。文筆家で、料理や格闘技など執筆分野も幅広い−。
と、これだけ紹介してもまだ足りないほど。精力的な活動ぶりから“疾走する天才”と称されることもある。「いろんな所でいろんなことをする方が向いている。生まれてこれまでひとつのことに集中したことがない」という。
演奏も生き方そのままにエネルギッシュ。ただし、自己満足に陥らず、一貫して心がけていることがある。それは聴く人が「セクシーでエロい」と感じる音楽を届けることらしい。
「ジャズは本来、非合法な売春宿で発達してきた音楽。酒場の夜の音楽ですから、そこは忠実に演奏しています。結局、エロいというか、それがジャズの一番マグマのエネルギーだと思うんですよ」
千葉県銚子市出身で、漁港の歓楽街で育った。「故郷に一番似ている」からと今は東京・歌舞伎町のマンションに住む。雑多な街を散歩していると曲想がふつふつとわいてくるという。フェスティバルでは、そこで生まれた自作曲と合わせて、デューク・エリントンの作品などを演奏する。
「ほかでは味わえない独特の雰囲気を楽しんでもらえれば」
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