「日米で人気の格差が最も大きな歌手」
ジョン・メイヤー期待の新作 R&Bの新境地開拓
東京朝刊 by 岡田敏一
米の若手シンガー・ソングライター兼ギター奏者、ジョン・メイヤーが20日、約3年ぶり3作目のスタジオ・アルバム「コンティニュアム」を発売する。前作からのシングル曲がグラミー賞で2部門を獲得するなど、楽曲づくりの才能は折り紙付きだが、今作ではポップな感覚に加え、ソウルやR&B(リズム・アンド・ブルース)の影響が色濃く、新境地を開拓している。
2001年のデビュー以来、1970年代のポップで懐かしいヒット曲の断片を紡いだような楽曲と、くすんだような独特の陰影を持つ歌声、そして端正なルックスが全米で熱狂的な支持を集めている。米では公演チケットの入手が最も困難なミュージシャンのひとりだが、日本ではほとんど無名で、「日米で人気の格差が最も大きな歌手」といわれている。
前作「ヘヴィアー・シングス」(03年)は全米ヒットチャートで初登場1位となり、シングル曲「ドーターズ」はグラミー賞最優秀楽曲賞と最優秀男性ポップ・ボーカル賞を獲得。アコースティックギターによる切ない弾き語り「ドーターズ」はここ数年で最も美しいメロディーの名曲だ。
新作では、伝説的なソウル歌手マーヴィン・ゲイを思わせるソフトな反戦歌「ウェイティング・オン・ザ・ワールド・トゥ・チェンジ」や、大物ソウル歌手カーティス・メイフィールド風の「グラヴィティ」など米黒人音楽の影響も色濃い。また、早世した天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスのカバー曲「ボールド・アズ・ラヴ」(67年)では卓越したギターの腕前も披露している。
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