丹羽久 前年比約10%増で推移
ヒマラヤ岩塩は“主役の味わい”
大阪夕刊
ヒマラヤ山脈の地下150メートルから採掘された岩塩。赤色と白色の粒が宝石のようにキラキラして美しい。食べる直前に付属のミル(小型ミキサー)でひいて、お好みの食品にパラパラと…。食事の脇役だった塩が、主役にぐっと近くなった感じだ。
この「ヒマラヤ岩塩」(60グラム、672円)が阪神百貨店(大阪市北区)で人気を集めている。「天外天塩」で知られる「
丹羽久」(岐阜県恵那市)の商品で、食塩市場が微減傾向の中、前年比約10%増で推移しているという伸び盛りの商品だ。
丹羽久左衛門社長(56)は「この岩塩は、何百年もかけてつくられた大自然の創造物。海の塩とは違うおいしさがある」と自信をみせる。
まろやかなうまみが特徴で、ステーキなどの肉料理や、適度に脂の乗った魚、オリーブオイルを使ったイタリア料理などにも最適だ。
日本で流通している塩はほとんどが海の塩。しかし、世界の7割で主に用いられているのは岩塩だ。数年前にヒマラヤ岩塩と出合った丹羽社長は「日本の市場は鎖国のようで、岩塩がほとんど流通していない。日本で天然素材の岩塩を広めたかった」と話す。
海の塩の特徴は、カルシウムの甘みとマグネシウムの苦み。料理人はこの苦みを嫌がる人もおり、素材のうまみを引き立たせるために、マグネシウムの少ない岩塩を求める人も増えてきたという。
ひきたての塩を味わえるミル付きなのも魅力的。今後、ミル付き容器の種類を増やし、高級志向に合った容器を選択できるようにして、需要を掘り起こしていく計画だ。
産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.