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フィルム市場縮小で新たな収益の柱に
富士写、「ヘルスケア」参入  
9月13日(水) 東京朝刊 
富士写真フイルムは12日、写真フィルム事業の技術を活用し、化粧品や健康食品市場に新規参入すると発表した。28日から自社ブランドの12商品を投入し、3年後に売上高100億円を目指す。富士写はフィルム市場の縮小やデジタルカメラ分野の過当競争のため事業転換を模索している。「ヘルスケア」と呼ぶ新事業への進出で新たな収益の柱づくりに取り組む考えだ。

光学機器のイメージが強い富士写は自社で約20万種の化合物製造技術を抱える「化学メーカー」の側面も持つ。同社は、従来の化粧品について「素材の体内への吸収・浸透を促し、有効性を引き出す取り組みが十分ではない」と指摘。フィルムの開発・研究で蓄積したナノテクノロジーなどの先端技術をヘルスケア商品に応用することのメリットを強調する。

具体的には(1)素材を体内の狙った場所に届け効果を持続させる(2)老化を早める活性酸素を制御できる(3)フィルムの主原料であるコラーゲンを徹底研究している−などを挙げており、将来的には創薬分野などにも進出する意向だ。

発売するのは15種類のアミノ酸を配合した保湿化粧水(6300円、150ミリリットル)など化粧品3商品、抗酸化物質・アスタキサンチンの吸収力を高めたドリンク(350円、50ミリリットル)などサプリメント(栄養補助食品)9商品。それぞれ「●i(エフスクエアアイ)」「★i(エフキューブアイ)」の自社ブランドでインターネットや電話を通じて販売する。

同社はデジカメ普及で需要が減少したフィルム事業を縮小する一方、世界首位の液晶パネル用保護フィルムなどが好調だ。さらに1月、創薬系ベンチャーに出資、11日には第一三共グループの医薬品会社の買収を発表。「第2の創業期」(古森重隆社長)の中核事業として、医療・バイオ分野のM&A(合併・買収)を加速している。

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