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3度目の「銀ちゃん」、ストイックな一面も
蒲田行進曲城崎非情編 錦織一清、6年ぶり主演
9月12日(火) 大阪夕刊 by 平松澄子
劇作家、つかこうへいの代表作「蒲田行進曲」が、錦織一清主演で6年ぶりに再演され、10月の大阪公演で通算100ステージを超える。今回のサブタイトルは「城崎非情編」。銀幕のスター、倉岡銀四郎役がすっかり板に付いた感のある錦織は、「やりがいのある役。ぼくにとって、つか作品はなまった頭や体を鍛え直す場所」と意気軒高だ。」

「蒲田−」の初演は昭和55年。その後小説化され、つかは57年に直木賞を受賞。同年に映画化もされ、大ヒットして日本アカデミー賞の作品賞などを受賞した。少年隊の錦織が初めて銀四郎を演じたのは平成11年で、ヤス役はSMAPの草ナギ剛。これが大評判となり、翌年には早々と再演された。

身勝手で傲慢(ごうまん)な花形スターの銀四郎、彼を献身的に慕う大部屋俳優のヤスこと村岡安次、銀ちゃんの愛人で彼の子を身ごもる女優の小夏らが、互いを求めながらも激しく傷つけ合う人間ドラマ。「新撰組」を撮影中のラストシーンで、ヤスが危険な“階段落ち”に挑むのがクライマックスになっている。

今回の「城崎非情編」の舞台は京都の東映太秦撮影所。6年ぶり3度目の銀ちゃんに挑む錦織以外のキャストを一新し、ヤスはジャニーズJr.の風間俊介、小夏は黒谷友香。加えて銀四郎のライバルで歌舞伎界の御曹司、中村屋喜三郎という新キャラクターを、佐藤アツヒロが演じる。

「つか作品はセリフですべてを伝える芝居で、セリフの力がすごい。この作品は屈折している恋愛や友情関係のトライアングルがおもしろいけれど、けいこをやりながらドンドン変えていくので、前2回とはずいぶん違った印象になると思う。100ステージは節目だが、ぼく自身はけいこを含めると、とっくに100回を超えている感じがする」と錦織。

話すほどに役柄の心理分析が深まるようで、「銀四郎の破天荒さはヤスから見た姿で、本当はもっとストイックでやさしい常識人。つかさんを浮き彫りにしたキャラクターじゃないかな。心の中のバイオレンスはヤスの方がずっと強いと思う。今回は新たに中村屋を登場させたことで、銀四郎の立場がよりくっきりして、銀四郎側から焦点を当てた作品になった」と説明した。



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