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「大辞林」「ウィズダム英和辞典」など
三省堂 辞書購入者にネット版提供
9月12日(火) 東京朝刊 
三省堂は11日、今秋出版する大型国語辞典「大辞林」など3点の辞書について、書籍購入者を対象に、インターネット版も同時に提供すると発表した。ネット版は、書籍にない新語や俗語も盛り込むほか、用語の更新や追加も随時実施する。大判の紙の辞書の需要が減っている中で、インターネットを活用して付加価値を高める狙い。ネットの普及は、音楽CDのネット配信に続き、出版業界にもじわり転換を促し始めている。

三省堂は、10月10日に「ウィズダム英和辞典」(第2版)と「ウィズダム和英辞典」(新版)(いずれも価格は3300円)を出版。同27日には、かつてミリオンセラーになった「大辞林」(同8190円)を11年ぶりに全面改訂した第3版を出版する。

同時に、書籍の購入者にはネット版を無料提供する。ネット版では、書籍に掲載されたすべての用語を検索・表示できるほか、ネットの特性を取り入れたことが特徴。

大辞林では、書籍にはない類語情報を掲載したほか、新語・俗語は約1万語を追加。英和辞典では、英語を読み上げる機能があるほか、書籍ではスペースの都合で掲載が難しい約7万5000の用例も追加する。項目編集や用語追加も随時行い、読者との双方向サービスも始める予定だ。

ネット版の利用には、書籍に印字されたホームページにアクセスし、書籍購入を確認する質問に答えた後、ネット版のパスワードを取得する仕組み。利用期限は設けていないという。

都内で同日会見した三省堂の八幡統厚社長は、「今年で創業125周年だが、辞書を取り巻く市場環境は、かつてないほど激変期にある」と強調。書籍辞書市場は、電子辞書などに押され、この10年間で半減した。

音楽業界ではネット配信が潮流だが、出版業界でも今後、紙とネットの両媒体で長所を生かすビジネスモデルが求められている。



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