秋篠宮妃紀子さまが出産される愛育病院は、昭和天皇が昭和9年3月13日、皇太子(現天皇陛下)のご誕生を祝って寄付された資金を基に設立された社会福祉法人「恩賜財団母子愛育会」が運営。開院は13年12月で、三笠宮妃百合子さまが同会の総裁を務められ、高円宮妃久子さまも3人のお子さまを同院で出産されているなど皇室とはゆかりも深い。だが天皇ご一家は宮内庁病院で出産されるのが通例で、民間病院で出産されるのは紀子さまが初めてだ。
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秋篠宮妃紀子さまのご出産を控え、万全の態勢がとられる愛育病院=5日午後4時、東京都港区(撮影・大井田裕) |
同会の総合母子保健センター所長で日本産婦人科医会会長、坂元正一氏は元宮内庁御用掛で、眞子さまご出産の主治医を務めた。愛子さまの主治医だった堤治氏は、坂元氏の東大時代のまな弟子で、坂元氏も愛子さまの医師団では顧問だった。
今回、執刀する中林正雄院長も坂元氏の東京女子医大時代のまな弟子で、佳子さまのご出産でも助手を務めた。雅子さまの妹、池田礼子さんの主治医でもあり、礼子さんも平成15年、同院で出産した。
愛育病院は「自然なお産」を方針に掲げる。入院中は好きな音楽を聴いたり、マットに寝転んだりと妊婦が楽な姿勢で自由に過ごすことができるほか、赤ちゃんと母親が同じ病室で過ごす母子同室や母乳育児を推進している。出産後すぐ、分娩(ぶんべん)台の上で赤ちゃんを抱く「カンガルーケア」も奨励する一方で、新生児集中治療室(NICU)も完備。都の「総合周産期母子医療センター」に指定されている。
経験豊富な医師や助産師が多い「人気の産院」である半面、出産費用は個室で100万円前後とされる。外国の大使館が点在する閑静な住宅地という立地条件もあり、雑誌やネットでは「セレブ御用達」などとも紹介されている。
紀子さまが入院されているのは「特室A」と呼ばれる最高クラスの個室。4階の角部屋で、窓は隣接する有栖川宮記念公園に面しており、ソファやトイレ、シャワー、電話、テレビもあるなどホテル並みの設備がそろう。
個室と廊下の間は2枚のドアがあってプライバシーも守られており、女優の水野真紀さんや三田寛子さんら芸能人の利用でも知られる。
秋篠宮ご夫妻の意向から病棟内の立ち入り規制は行われておらず、紀子さまが廊下で入院中の妊婦と会釈を交わされる場面もあった。
病院食もヘルシーで美味との評判で、レシピ本が出版されるほど。魚のホイル焼きなどが人気だ。外国人のため宗教や習慣に配慮した食事も提供している。
■特集 秋篠宮家 親王さまご誕生
■産経新聞号外1面(PDF形式です)
■産経新聞号外2面(PDF形式です)