公取委、説明求める
ソフトバンクの新料金、法に抵触も
東京朝刊
公正取引委員会が30日、ソフトバンクモバイルの担当者を呼び、複雑な料金体系や割賦販売などに対する説明を求めたことが明らかになった。携帯業界にはソフトバンクの新料金システムについて、電気通信事業法、景品表示法に抵触する可能性があるとの指摘もあり、今後の展開次第で同業他社が公取委に申告する可能性も出ている。
関係者によると、公取委が注目したのは、契約者がソフトバンクモバイルと2年契約して割賦で端末を入手する「新スーパーボーナス」と呼ばれる販売手法。複雑で分かりづらいという観点から説明を求めたもようだ。
このほか公取委は、ソフトバンクが広告で「通話、メール0円」という表示を強調し、その前提となる契約条件を小さく書いていることも問題視している。他社と比べてソフトバンクの方が実態以上に有利だと消費者に誤認させる「有利誤認」の可能性があるためだ。
同様の問題は、みずほ銀行が今春配布した住宅ローンの広告でも指摘され、公取委は8月に警告を出した。ソフトバンクの広告についても、「料金体系が複雑なだけに、しっかり表示しなければいけない」(公取委)との見方を示している。
一方、業界が問題視しているのは、「来年1月15日までに契約すれば、月額9600円の基本料金を70%引きの2880円とする」というゴールドプランと呼ばれる料金体系だ。
業界のある幹部は、「特定期間の契約者だけをその後も長期にわたって優遇し、他の契約者と格差を設けることになり、電気通信事業法で禁じられている『不当な差別的取扱い』に該当する可能性がある」と指摘している。
さらに、ソフトバンクが来年1月16日以降も同サービスを割引価格で受け付けるなら、9600円という本来の料金設定は意味がなくなるため、景品表示法上の『不当な二重価格表示』に該当する可能性もあるとされる。公取委の担当者も「適切ではない可能性はある」と関心を寄せており、9600円という価格設定の妥当性が問われそうだ。
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