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韓流は一段落、企業にも余裕
ハリウッド・スターCMに続々 
  東京朝刊
アンジェリーナ・ジョリーやスカーレット・ヨハンソン…。日本のテレビCMに大物ハリウッド・スターが次々と登場している。景気回復基調を背景に、「ゴージャス感や高級感」を求めるスポンサー側が起用に積極的になってきたのに加え、長らくテレビCMへの出演に否定的だったハリウッド・スター側の意識の変化も拍車をかけているようだ。

アンジェリーナ・ジョリー

若手を代表するスター女優、ヨハンソンが登場するのは、森永乳業の「マウントレーニア カフェラッテ」のCM。地下鉄の駅の通路に流れる思い出のクラシック曲を、ヨハンソンがカフェラッテを飲みながら聴き入るという内容だが、彼女が日本のCMに出演するのは初めてだ。

ヨハンソン起用は首都圏での新シリーズ発売に合わせたもので、森永乳業は「自社焙煎のコーヒー豆を使った高級志向の商品なので、リッチ感やゴージャス感を印象付けようと起用を決めた」と説明する。肝心の売り上げも「当初予想の約5割増」と好調で、CM起用は成功だったとする。

このほか、A・ジョリー(資生堂)やトミー・リー・ジョーンズ(サントリー)、キャメロン・ディアス(ソフトバンク)ら大物スターが登場し、強烈な印象を与えている。

もともとハリウッド・スターが日本のテレビCMに出演するのは珍しくない。古くは「マンダム」のチャールズ・ブロンソン、「カップヌードル」「アリナミンV」のアーノルド・シュワルツェネッガーなど印象深いものも多い。

だが、出演料が高額なこともあり、バブル崩壊以降は見かける機会もぐっと減少。ここ数年は韓流ブームの影響でCMでもイ・ビョンホンやチェ・ジウら韓国スターの活躍が目立っていた。

CM総合研究所の関根建男代表は「韓流ブームが一段落したことと、日本の景気が上向いていることを受け、企業側もハリウッド・スターの起用に積極的になっており、この傾向は今後さらに強まる」と分析している。

 一方、ハリウッド・スター側の意識の変化を指摘する声もある。もともと「ドラマやCMなどテレビ出演は二流にランクダウンした証拠」(米映画業界関係者)と考える風潮が根強かった。

ところが近年、ハリウッド大作が不振なうえ、映画スターとしては二流だった男優キーファー・サザーランドがテレビドラマ「24」で一躍、超大物スターに。CMにも一昨年ぐらいから、キャサリン・ゼタ・ジョーンズやハル・ベリー、ニコール・キッドマンが出演するなど、スターたちの“テレビアレルギー”は消え始めている。日本のCMに出演する大物スターが、さらに増えていくことは間違いない。



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