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テレビCMにはオアシスを起用
「徹底的に音にこだわった」ソニーが新型ウォークマン  
  東京朝刊 
ソニーは12日、携帯音楽プレーヤーの新製品「ウォークマンSシリーズ」5機種を21日から順次発売すると発表した。新製品は「徹底的に音にこだわった」といい、独走する米アップルコンピュータの「iPod(アイポッド)」に正攻法で挑む構え。ソニーと松下電器産業の「国内2強」による“アップル包囲網”が形成される中、携帯プレーヤーの年末商戦が幕を開ける。

ソニーの新型ウォークマンとハードディスク搭載コンポ。年末商戦でアップルのiPodを追撃する=東京都渋谷区

新型ウォークマンは、ヘッドホンの左右の音を混在させない「クリアステレオ」機能や、周囲の騒音を4分の1に低減する「ノイズキャンセリング」機能を持つ。内蔵された小型ディスプレーでCDのジャケット写真も表示可能だ。容量は1ギガ〜4ギガで黒やピンクなど5色。価格は1万5000〜2万9000円。同時にパソコンなしでネットからプレーヤーに音楽を取り込むハードディスク内蔵コンポ「ネットジューク」(6万5000〜10万円)も発売する。

ソニーは「絶対の自信を持っている」(幹部)という音質を前面に押し出し、テレビCMには英国の人気ロックバンド、オアシスを起用。若年層に加えて30代男女もターゲットに見据え、王者アップルに対抗する。

松下が9月から発売した「D−snap(ディー・スナップ)」も騒音を抑える機能「騒音キラー」が売り物だ。こちらもパソコンを介さずに音楽を取り込むコンポを展開。両社とも高音質と「パソコン要らず」というアップルの弱点を逆手に取った作戦をとる。

音楽再生機能を持つ携帯電話も勢力を拡大中だが、12日に秋冬モデルを発表したNTTドコモは「音楽ケータイ」の充実を強調しつつも、「電車で聴く人が多いので、音質にはこだわらない」(夏野剛執行役員)とアップル包囲網を静観する構えだ。

一方のアップルは9月にほぼ全モデルを刷新して値ごろ感をアピールしたほか、米ウォルト・ディズニー社の映画配信をスタートするなど、戦略面でも国内勢の一歩先を行っている。

電子情報技術産業協会の調べでは、平成18年度のデジタル音楽プレーヤーの出荷予測は611万台。3倍強の伸びとなった前年度から一転して横ばいにとどまる見通し。市場の伸びは一段落し、年末商戦は国内勢の生き残りをかけた戦いになりそうだ。



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