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チャンスとリスクの新機種ラッシュ
番号ポータビリティー“過当競争” 
  東京朝刊 
NTTドコモの新商品発表で、24日の「番号ポータビリティー」(番号継続制度)開始を見すえた各社の主力端末が出そろった。各社とも品ぞろえの豊富さを強調。秋冬商戦の端末数は過去最大の約40機種にのぼり、年間でも初の大台となる100機種を超える。ただ、携帯電話の需要は頭打ちで、過当競争を引き起こすことは必至だ。(冨岡耕)

「新端末の発表に臨むのは今回で7回目だが、端末ラインアップは1番だ」。ドコモの夏野剛執行役員は12日の会見で胸を張った。

ドコモは今回発表の14機種も含めて、今年度内にあと20機種以上を市場投入する。合計では年間50機種になり、1年で投入する端末数としては過去最大だ。KDDI(au)も今年はすでに30機種以上を投入し、4年前の2倍に膨らんだ。ソフトバンクモバイルも今年は昨年比2倍に上る。

携帯各社の端末数の増加は、番号ポータビリティーを見すえ、幅広い顧客への訴求を狙って選択肢を広げるためだが、10社以上がひしめく端末メーカーは採算悪化に悲鳴を上げている。

1機種あたりの販売台数は、5年前は200万〜300万台と多かったが、現在では「多くて40万〜50万台」(関係者)に激減。さらに携帯端末の高機能化が進み、開発費は1機種あたり100億円以上に高騰している。

端末メーカーは大手同士が基盤部品を共通化するなど効率化を進めているが、それ以上に携帯会社間の競争が激しく、「納入価格の値下げ圧力が強い」(ドコモ系端末メーカー)。端末の国内出荷台数が年間約4500万台で頭打ちの国内では収益拡大は厳しい状態だ。

一方、異なる携帯会社に重複して納入する端末メーカーも多く、携帯各社には類似した端末が散見される。ソフトバンクで最も売れているワンセグ端末「アクオスケータイ」(シャープ製)は、ドコモも秋冬商戦に投入。auも来春に発売する予定だ。

携帯会社は端末以外の特徴を磨かなければ、在庫の山を築きかねない。豊富な端末で利用者を引きつける戦略は、チャンスよりもリスクの方が大きくなる。



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