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「ダウランドは女王への忠誠を誓う」
17世紀の放浪のリュート奏者に原点 スティングの新作 
   by USA TODAY
【ニューヨーク=USA TODAY(エリサ・ガードナー)】スティング(55)のニューアルバム「ラビリンス」は、英エリザベス朝時代の作曲家兼リュート奏者、ジョン・ダウランド(1563−1626年)の作品集だ。

スティング(USA TODAY)

現代のリュート演奏の第一人者、エディン・カラマーゾフの伴奏のみで歌った曲やスティング自身がアーチリュートを演奏し、ダウランドが当時の国務大臣のロバート・セシル卿にあてた手紙を朗読したものなどが収められている。

「ジョン・ダウランドは体制から打ち捨てられたシンガーソングライターであり、われわれの元祖的存在。天才的なミュージシャンだった。われわれは彼の足跡をたどっているに過ぎない」とスティングは語る。

ダウランドはエリザベス1世のお抱えリュート奏者になろうとしたが、カトリックだったため認められず、名声を求めて演奏の世界旅行に出た。手紙には信仰が原因で女王暗殺の嫌疑をかけられ、「カトリックだが女王への忠誠を誓う」と命ごいをした内容のものもある。

「当時の風潮や政治テロの様子がうかがえる。われわれはその歴史を生かさなければならない」とスティング。「愛、思慕、孤独、失望を歌ったダウランドのようにわれわれも内省しなければならない。21世紀のリーダーは物事を白か黒、善か悪、いい人間か悪い人間と決め付けたがるが、非現実的でばかげている」と語る。

「ラビリンス」の完成まで2年。スティングは「ダウランドを通じて自分の作曲魂に火がついた。今から書きまくるよ」と話している。



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