大手不動産会社による大型商業施設の開業がラッシュを迎えている。多くが商業施設に大型マンションを併設して相乗効果を狙ったり、住民の交流施設として地域の「核」の役目を担ったりと、新しいタイプの商業施設を目指して注目を集めている。不動産各社もこうした点をアピールし、商業施設部門の収益力アップを図る考えだ。
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3階まで吹き抜けの天井からは自然光が降り注ぐ「アーバンドック ららぽーと豊洲」。約180の店舗が入居する=2日午後、東京都江東区(撮影・瀧誠四郎) |
住・商一体
三井不動産は来年3月までに、都心や近郊部で大型商業施設「ららぽーと」などを相次ぎ開業するが、いずれも大型マンションを併設しているのが大きな特徴。大型商業施設に併設することで、マンション販売時に利便性のアピール度が格段に大きくなるためだ。
また、併設マンションに居住する人を対象に、買い物品をその日に無料で自宅まで届ける宅配サービスやカートをマンションまで運び入れできるようにしたりするなどの“特権”をもうけ、居住者に便利さを実感できるようにした。大型スーパーとの違いも打ち出しやすく、「住・商一体は最高の相乗効果が得られる組み合わせ」(同社)と利点を強くアピールしている。
地域の「核」に
三井不動産が今月5日、東京都江東区に開業する「アーバンドック ららぽーと豊洲」には、地域の子供らを対象とした職業訓練タウン「キッザニア東京」が入居するほか、他の「ららぽーと」でも会員制クラブ「ららクラブ」が中心となり、コンサートなどの催し物を行う仕組みを取り入れ、地域コミュニティーづくりに積極的に取り組む。
東京建物が今年4月に開業した高層マンション併設の複合商業施設「オリナス」(東京都墨田区)も、地域のイベントを行うオープンスペースを設置し、地域のコミュニティーづくりに重点を置いた。
「ものを売るだけではなく、地域の住民同士のコミュニケーションやライフスタイルの実現など、多様なニーズをくみ取って地域の核となる施設とする」(東京建物)とすることで、にぎわいある街づくりを目指す。
地方展開も…
これらの大型商業施設が立地するのは、工場跡地や大規模再開発地がほとんど。企業のリストラが一巡し、都心や近郊部でまとまった用地がなくなってきたうえに、地価上昇で用地取得も難しくなり、都心、近郊部での建設ラッシュは一段落する見通しだ。
このため、東京建物が群馬県伊勢崎市で大型商業施設の建設を予定するほか、三井不動産は「ららぽーと」を埼玉県三郷市で平成20年度、静岡県磐田市で21年度に開業する方向で検討するなど、地方進出も視野に入れている。ただ、都心部や近郊部ほどの集客力は期待できず、成功を収めるかは未知数といえそうだ。