都内ホテル「味な対決」
本場三つ星レストラン・シェフ続々進出
東京朝刊
東京都内のホテルを中心に、レストラン格付けの「ミシュラン」の最高評価である“三つ星”に輝く最上級レストランの進出、シェフの来訪が続いている。ホテルの新規開業やリニューアルの目玉として進出、来日するケースが多く、短期間のフェアやシェフ招聘(しょうへい)にとどまらず、朝食や婚礼メニューの共同開発にあたるなど結び付きを強めたのが特徴だ。ホテルの増加で競争が激化する中、差別化を図る狙いもある。(橋本亮)
東京プリンスホテルパークタワー(東京都港区)では今年7月から、従来の料理フェアの枠を超えて、パリの有名三つ星レストラン「アルページュ」のオーナーシェフ、アラン・パッサール氏が考案したメニューの通年販売を始めた。パッサール氏の年4回の来日時には日本人シェフに調理技術を指導。同氏が開発した朝食、婚礼メニューも販売している。
コンラッド東京(同)は昨年7月の開業に合わせて、ロンドンの三つ星シェフ、ゴードン・ラムゼイ氏が手掛けるアジア初のレストラン「ゴードン・ラムゼイatコンラッド東京」を開店した。同ホテルではラムゼイ氏が監修した朝食メニューを提供している。
また、センチュリーハイアット東京(東京都新宿区)は今年9月、フランスの三つ星レストラン「トロワグロ」のオーナーシェフ、ミッシェル・トロワグロ氏と提携し、新たに考案したフレンチレストラン「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」を開業。ランチ、ディナーに加えて、婚礼メニューの考案にもあたる。
レストラン、シェフ側は「東京のフランス料理はレベルが高く、大きな需要があり、出店に好都合」と判断。ホテル側も「有名レストラン、シェフと組めば、ブランド向上、他ホテルとの差別化や日本人シェフの技術向上、育成にもつながる」そろばんをはじいており、こうした思惑の一致が相次ぐ有名レストランの進出、シェフの来日につながった。
どのホテルも、現地ではなかなか予約を取ることができない三つ星レストランの料理を、日本にいながら楽しめるとあって「大繁盛」(東京プリンスホテル)。
赤坂プリンスホテル(東京都千代田区)でも今後、パリの三つ星ホテル「タイユヴァン」のシェフが監修する朝食、婚礼メニューの扱いを始めるほか、各ホテルもサービスの幅を拡大する考え。“三つ星対決”はさらに激化しそうだ。
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