ラブコメディー「紫式部ものがたり」
大地真央 おちゃめな紫式部に挑戦
東京朝刊 by 生田誠
女優の大地真央が主演するラブコメディー「紫式部ものがたり」(齋藤雅文脚本、宮田慶子演出)が12月5日から、東京・有楽町の日生劇場で上演される。名作『源氏物語』を書き上げた才女の紫式部が、実は「おちゃめで、ドジで、世間知らず」な女性だったという愉快な音楽劇。歌って踊る主演の大地と、脚本の齋藤に話を聞いた。
舞台は1000年前の平安京。文子(大地)はかつての恋人、藤原道長(升毅)に招かれ、中宮彰子(神田沙也加)の宮中に出仕することになった。そして「源氏物語」を書くまでの紫式部誕生ストーリーなのだが、文子は現代風にいえばシングルマザー。平安朝の優雅さからはほど遠く、仕事に恋に子育てに、なりふり構わずぶつかっていく姿が描かれていく。
「こうきたか。すごく大変そうだけれどおもしろそう」。齋藤の脚本を手にしたとき、大地はこう感じたという。
変装して屋敷を抜け出しては父の為時(上條恒彦)に小言をいわれ、宮中ではライバルの清少納言(酒井美紀)から「男をよく知らない」となじられる。「いろんな面を持っていた女性なので、そのシーンごとに演じていけばいいかなと。おちゃめなシーンもあれば、シリアスなシーンもある。振幅の幅が極端に広く、さじ加減次第で思い切り楽しくなる」
取り巻く男性陣も多士済々だ。亡霊としても登場する藤原伊周(八十田勇一)、それを追い払う陰陽師(おんみょうじ)、安倍晴明(姜暢雄)や式神たち…。こうした出会いが紫式部を成長させ、「源氏物語」を生み出す“源”となっていく。
元宝塚男役の大地のために新たな劇中劇も加えられた。ダンディーな光源氏の姿となって、夕顔(神田の二役)と踊るシーンだ。「特別に探したわけではないけれど、おもしろい場面が自然とみつかった。ただ、紫式部は一生懸命なんだけど、周りから見れば空回りしている自覚の足りない女性かも」と齋藤。
大地は「紫式部はもちろん、王朝物で女装の役は初めて。物語などを書き散らかしても、自分だけは何がどこにあるかわかっている。多少は私と似ているかもしれませんね」と話している。28日まで。
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