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乾いた咳にご用心 
マイコプラズマ肺炎の流行兆し
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最近5年に比べ患者の発生報告がかなり多い状態が春から続いていた「マイコプラズマ肺炎」が、秋に入って本格的な流行の兆しを見せている。症状は軽く済むことが多いが、平成12年以降、同肺炎に対する特効薬が効きにくいタイプが十数%の割合で見つかっており、専門家は「症状が怪しいと感じたらすぐ診断を受け投薬治療を」と呼びかけている。

マイコプラズマ肺炎は、細菌「肺炎マイコプラズマ」を病原体とする肺炎。初期症状は全身の倦怠(けんたい)感や頭痛、発熱、乾いた咳(せき)などで、咳が長く続き、次第に強くなるのが特徴。幼児や青少年がかかりやすく、患者の約4割が4歳以下、8割が14歳以下だ。

国立感染症研究所によると、11月5日まで1週間の全国の指定医療機関からの発生報告は262件で、1施設当たり0・58件。2週前から1施設当たり0・6件前後が続いている。最近5年の同時期は1施設当たり0・2〜0・4件程度で、かなり多い。

都道府県別では、沖縄(1施設当たり2・71件)、大阪(同2・50件)、岡山(同2・00件)、埼玉(同1・67件)、富山(同1・60件)が多かった。

病原体の肺炎マイコプラズマは細胞壁がない細菌のため、ペニシリン系やセフェム系の抗菌薬が効かない。治療には、特効薬であるマクロライド系の抗菌薬を最初に使うことが必要だ。

しかし、感染研などの研究で、平成12年以降毎年、マクロライド系抗菌薬に耐性のあるタイプが見つかっている。耐性菌が見つかった割合は、12〜16年の平均で16%だった。

インフルエンザと同様、冬場に感染が広がりやすい。軽症で済む場合がほとんどだが、放置すれば合併症などで入院治療が必要なほど重症化することがある。

感染研の荒川宜親細菌第2部長は「マクロライド系の抗菌薬が効かない場合、他の抗菌薬を使うことができるが、薬が効かずに発熱や咳が続いている間に感染が広がる。医師は、マクロライド系薬を投与しても症状が軽快しない場合、耐性タイプの可能性も考慮して診療に当たる必要がある」と話している。





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【用語解説】マイコプラズマ肺炎

細菌性の急性呼吸器感染症。2〜3週間の潜伏期間後、全身の倦怠感、発熱、頭痛、乾いた咳などの症状が出る。重症例では胸水が溜(た)まるなど入院治療が必要となる。市販の風邪薬では病原体の細菌「肺炎マイコプラズマ」に効果がなく、医師の処方による投薬治療が必要。