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“数字”に明暗、世代交代の秋
10月スタート秋ドラマ座談会  
  東京朝刊
民放各局の10月スタートの連続ドラマが出そろい、視聴率では明暗が分かれた。本紙の芸能担当記者の全体的な評価としては「7月スタートの連ドラと比較すると、今回は粒ぞろい」が大勢を占め、キーワードは「主演女優の世代交代」だった。今回の特徴やそれぞれのドラマについてまとめた。

10月スタート秋ドラマ座談会
平均視聴率20%超を連発している「Dr.コトー診療所2006」。吉岡秀隆の安定感に加え、蒼井優のうまさが際立つ

デスク 「主演に若い女優が目立つね」

記者A 「13歳の志田未来(14才の母)は若すぎるとしても、上野樹里(のだめカンタービレ)、長澤まさみ(セーラー服と機関銃)、綾瀬はるか(たったひとつの恋)、堀北真希(鉄板少女アカネ!!)に、今回は出演がない沢尻エリカも含めて20歳前後の女優が台頭し、世代交代が始まっていると感じた」

デスク 「『のだめ』『14才』『セーラー服』は好調な滑り出しだったけれど、『たったひとつ』『鉄板少女』は苦戦しているね」

記者B 「『たったひとつ』は綾瀬と亀梨和也というキャスティングに北川悦吏子の脚本が話題だったけれど、ドラマ設定にやや古さを感じてしまった」

記者C 「『鉄板少女』はエピソードで泣ける部分もあるのに、派手なCGに興ざめした」

A 「予想以上だったのは、『14才』の志田じゃないかな」

C 「ドラマ自体も見せ方をかなり研究している。井上由美子の脚本は妊娠までの経緯をいたずらに描かず、後の葛藤(かっとう)に絞ったところに配慮を感じた」

A 「『セーラー服』はコメディーとしてきちんと成立している」

B 「長澤もうまく味を出しているし、堤真一らがドラマを締めている」

A 「『のだめ』は漫画に忠実で世界観が楽しめる。上野らも楽しそうだし、CGの使い方もどこか突き抜けていて笑えるしね」

B 「派手な髪形や付け鼻なんかのコスチュームばかりに目がいってしまう。すこしやりすぎと感じた」

デスク 「『Dr.コトー診療所2006』は視聴率20%超(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を連発しているね」

A 「ストーリーはもちろんだけど、中島みゆきの音楽と与那国の風景だけで引き込まれる。新加入の蒼井優の演技も光っている」

B 「ただ、前回シリーズより1話1話にいろいろ盛り込み過ぎているように感じる。他のドラマにもいえることだが、ゆったり感がない」

C 「それでいえば、『僕の歩く道』はゆったり感がある。草ナギ剛の演技に安定感がある。自転車に乗るシーンひとつでもうまい」

A 「男優なら、『家族』の渡哲也と竹野内豊に安定感がある。別居までの家庭の描き方は雑だったけれど」

B 「『役者魂!』の藤田まことと松たか子も安定しているんだけれど、期待していた君塚良一の脚本が少し中途半端に感じる」

デスク 「他に気になることは」

C 「どのドラマも『来週どうなるんだろう』とワクワクする、連ドラならではの醍醐(だいご)味が感じられない」

B 「出演者の顔ぶれ。複数のドラマに出ている俳優も多く、新しい“原石”を発掘して育てようという意欲が見られない。もっと冒険してほしいね」

A 「そういった意味で評価できるのは、『逃亡者おりん』。殺陣は安心してみられないけれど(笑)、青山倫子という新人を使って半年間勝負するという、テレビ東京の姿勢は買える」

ナギ=弓ヘンに剪





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