「歌詞を届けること意識」
トリオバンド、風味堂 ピアノが引き出す多彩な持ち味
東京朝刊 by 安田幸弘
ピアノを主体にしたトリオバンド、風味堂が快調だ。オリコン初登場10位に入った2枚目のアルバム「風味堂2」を携え、全国ツアーに臨んでいる。
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風味堂の3人(撮影・安田幸弘) |
アルバムは、カントリー風の曲調にバラード、ポップス、宴会ソング、コーラスの入った壮大な楽曲まで多彩な構成で、聴き手ごとにストーリーが膨らんでいく。引き出しの多さは一昨年のメジャーデビュー以来、変わらぬ持ち味だ。
歌いながら奏でる渡和久のピアノは着実にさえを増している。「最初は何が正解で何が不正解か意識しながら弾いていたんですけど、ようやくピアノの手癖みたいなものが確立されてきて、『これが自分のやり方だ』と認められるようになってきた」と渡。
3人の一体感も高まっている。数多くのライブ経験が何より肥やしになったという。ベースの鳥口マサヤは「サウンドも固まりのある音色になってきた。押し寄せてくるような」と実感する。
基本にしていることは「歌を伝える」(渡)姿勢だ。当たり前のことのようだが、歌詞が聞き取りにくいポップスが多い昨今、逆に新鮮に響く。収録曲の1つで先行シングルでもヒットした『愛してる』も、「まず歌詞を届けることを意識してアレンジした」(ドラム・中富雄也)という。
来月まで続く全国ツアーは名付けて「現地集合 現地解散TOUR」。
「お客さんじゃなく、風味堂の一員のように友達感覚で来てくれれば」(渡)。楽曲同様、3人のアットホームな気持ちがこもっている。
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