“メタラー”魅了
アイアン・メイデン、2年ぶり来日
東京朝刊 by 岡田敏一
デビューから26年を迎え、日本にもファンが多い英のベテランのヘヴィ・メタル・バンド「アイアン・メイデン」。先ごろ2年ぶりの来日公演を行い、大勢の“メタラー”を興奮させた。リーダー兼ベース奏者のスティーヴ・ハリス(50)は「新曲中心の挑戦的な内容のステージだけに受け入れられるかどうか心配だったが、観客の反応が予想以上に良くてうれしかった」などと感想を語った。
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ヘヴィ・メタル・バンド「アイアン・メイデン」のリーダー兼ベース奏者のスティーヴ・ハリス |
今回の来日公演は、9月末発売の最新作(24作目)「ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス」の発売に伴う世界公演ツアーの一環。3年ぶりのオリジナルアルバムである本作は、米ビルボード誌の総合アルバムチャートで初登場9位を記録。バンド最大のヒットを記録中だ。
「新作では戦争や宗教の問題を軸に世界が置かれた危機的な現状を表現したんだ。それが受けたのかな? 本当に絶好調だよ。欧米はもちろん、何とインドでもヒットチャートの1位になったんだ」と笑う。
その勢いを受けてか、10月25日の日本武道館を皮切りに、東京2公演と広島、大阪、名古屋の計5公演。当初4公演の予定が、東京では急遽(きゅうきょ)、追加公演が出る人気ぶり。公演は約2時間で、新作の全10曲をアルバム収録順に演奏した後、アンコールで「審判の日」(1982年)など代表曲3曲を披露した。「日本の観客は礼儀正しいけれど、不誠実な演奏をすると客席が静まり返るから怖いんだ」
ハリスはほぼすべての楽曲の作詞作曲を担当している。ギター奏者ではなく、ベース奏者が作詞作曲の要を務めるメタルバンドは極めて珍しいが、「そんな風に考えたことはないよ。ただ、楽曲に一貫性や安定感を持たせながら新要素を導入するよう心がけてはいる。それがバンドを長続きさせている要因のひとつかもしれないね」。
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