財務省試算
「団塊の世代」全員引退で…現役世代は10万円の負担増
東京朝刊
現在57歳から59歳までの「団塊の世代」が将来65歳以上になり、全員が現役を引退すると仮定した場合、現役世代1人あたりの負担が10万円以上増えることが、財務省が31日に公表した試算などから明らかになった。
日本の将来推計人口(平成14年1月)によると、団塊の世代は、平成24年から26年にかけて全員が65歳以上になる。同時に、この3年間で、現役世代である「生産年齢人口(15歳から64歳まで)」が321万人の純減となる。
その前提の下で、財務省は今回、「年齢層別の受益と負担状況」について調べ、現役世代が100万人減少し、高齢者が100万人増加したと仮定した場合に、現役世代の負担がどれだけ重くなるかを試算した。
それによると、現役世代の1人あたりの負担は、高齢者数の増加による年金・医療・介護給付の増加をまかなうために2万6000円▽現役世代減少に伴う税収減と保険料収入減をまかなうために6000円の計3万2000円多くなった。
そして、この試算を将来推計人口に当てはめて計算したところ、321万人の生産年齢人口の純減に対し、単純計算で現役世代1人あたりの負担は10万2700円増加するとの結果が出た。
もっとも、同日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の合同部会では、この試算結果に苦言も。会議終了後に会見した西室泰三会長によれば、「(高齢化のマイナス面を強調する)こうした試算ばかりが出るが、がれきの中から日本を再建した世代の貢献がわかるようにしてほしい」との要望が出た。
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