31日から全国公演
ミュージカル「葉っぱのフレディ」 脚本・演出 犬石隆に聞く
7月27日(木) 東京朝刊 by 柳谷昇子
ミュージカル「葉っぱのフレディ−いのちの旅−」が、今年もまもなく開幕する。1枚の葉っぱが木の枝に生まれ、大地に還るまでを描く命の物語は毎年、全国各地の子供たちに感動を与えている。平成12年の初演から脚本・演出・製作を務める犬石隆は「ミュージカルだからこそ、命という深いテーマを歌やダンスに乗せてわかりやすく、お説教くさくなく伝えられる」と話す。
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「すべての年齢層の人に見てほしい」と語る犬石隆。初演から脚本・演出・製作を手がけている |
今回は、生きることに疲れた元女優アンジェラ(今陽子)を新たに登場させ、2幕構成にした改訂版での上演。「精いっぱいの生を謳歌(おうか)する葉っぱの物語と、人間たちのドラマを対比しているのが原案(日野原重明・聖路加国際病院理事長)の妙味。この対比をうまく描ければ、よりショーアップした感じになると思う。生きること、死ぬことの意味をなるべくリアルに描きたい」
オーディションには全国から600人ほどが集まる。上演を重ねるごとにその数は増えてきているという。今回、主人公の葉っぱのフレディを演じるのは、昨年から引き続き、ダブルキャストで小学4年生の矢野七海と内藤もゆの。
「葉っぱが四季を過ぎて死んでしまっても生まれ変わる物語。七海も生きること、死ぬことについて考えるようになりました」と矢野。また、内藤は「お母さんに勧められて見たときは感動。命についてみんなで考えてほしい」。そして2人は「元気で明るく、強いフレディを演じたい」と声をそろえる。
犬石は「死ぬことについて考えること=生きること。小さい子は騒がずに舞台を見つめ、大人も涙する。何かを受け止めざるを得ないのでは。単なる夏のファミリーショーではなく、すべての年齢層に見ていただきたい作品」と話している。
31日・8月1日の新宿文化センター公演を皮切りに、8月31日まで松山・甲府・草加(埼玉)・東京・北九州・高松・大阪の各地を回る。