申し込みは前年の2倍
「夏は家族で海外」 パックツアー好調
7月25日(火) 東京朝刊
夏休みを海外で過ごす家族連れが増えている。景気回復に伴う旅行需要の高まりを背景に、旅行会社各社がファミリー向けのパックツアーを強化したところ、前年比で2倍近い伸びをみせたコースもあり、個人消費の回復を裏付けている。
近畿日本ツーリストが、ハワイ、豪州、アジアなど5コースで展開する家族向けパックツアー「ファミリゾート」は、豪州が前年比約2倍となったほか、アジアは20%増、グアム・サイパンも47%増と大幅に増えた。
日本旅行の家族向けパックツアー「ふぁみバケ」も同じ傾向がみられる。今年からバンコクなどアジアのシティーリゾートを加えたところ、タイの申し込みが7、8月とも前年の2倍を超えたほか、昨年は反日運動の余波で渡航者を減らした香港で2・4倍と高い伸びとなった。
また、グアム・サイパンで3割増、アジアで2割増のJTBが海外旅行の予約状況を分析した結果、小学生を含む予約が約21%、中高生を含む場合は約15%増えており、夏休みを海外で過ごすファミリーが前年より増えていることがわかる。
背景には、景気回復による旅行需要の高まりに加え、旅行各社のお得な割引策がある。各社ともベッドが不要な幼児割引や、子供料金を大人の半額に設定する実用的な値引きを展開。さらに、早期予約割引は通常出発日の30〜60日以前だが、近ツーは90日前という長期間の割引を打ち出し、顧客の囲い込みを図った。
一方で、値引き項目が増えて利用者には計算が煩わしくなるため、JTBは4人家族を、日本旅行は3〜6人家族を対象に、包括料金を提示するプランを企画した。「親子3世代で行く海外旅行もかなり増えているようで、5〜6人のパックは売り切れが相当出ている」(日本旅行)など、家族連れに焦点を絞ったさらなる差別化商品の開発も進みそうだ。