親しまれ、半世紀以上
文化放送、新社屋に移転 歴史刻む建物に別れ
7月25日(火) 東京朝刊
ステンドグラス風の正面玄関など個性的な姿で半世紀以上親しまれたラジオ局、文化放送(東京都新宿区)が、24日の放送を最後に移転した。同日、旧社屋から港区浜松町の新社屋までリスナーたちが歩く記念イベントが開かれ、生放送された。
旧社屋は鉄筋コンクリート造りの6階建て。正面玄関には、れんがタイルの壁に透かしブロックを用いた。母体となったのは、昭和26年に建設されたキリスト教の聖パウロ修道会。8つあるスタジオの1つは礼拝堂を兼ねており、随所に教会の雰囲気が残されている。
文化放送は27年に放送を始め、深夜放送で落合恵子さんやみのもんたさんら人気パーソナリティーを次々に輩出。旧社屋は若者らに影響を与えたラジオ文化を象徴する建物だった。
しかし、老朽化と放送のデジタル化もあって移転が決まった。旧社屋は取り壊され、マンションになる予定だ。