「真琴」地で行く活発娘
女優・仲里依紗
7月22日(土) 東京朝刊 by 松本明子
スウェーデン人のおじいちゃんが「モナリザ」の絵が好きで、かわいい孫娘に「りいさ」と名付けた。色白の目がくりくりとしたクオーターの女の子は中学まで長崎ですくすくと育つ。両親が衣料品店を営み、幼いころからファッションに興味があった。雑誌の読者モデルなどを経て、やがて芝居の楽しさを知る。現在は上京して、都内の共学私立高校に通う2年生だが、今年“大役”にめぐり会えた。
「絶対に合格しない、落ちると思っていました。私の声は低いし、実は嫌いなんですよ」
筒井康隆原作の「時をかける少女」。昭和40年に発表以来、テレビ、映画と何度も映像化されてきたが、その劇場版アニメ映画(公開中)でヒロイン、紺野真琴の声を射止めた。
500人以上が参加した2月のオーディション。台本を読む順番が回ってきた。「クラスメート役の間宮千昭(まみや・ちあき)の『昭』の字が読めなくて、隣の友人に聞いてもわかんな〜いといわれて、焦って『ちひろ』と言っちゃったんです。そうしたら監督(細田守)に大笑いされて…」
強烈な印象を与えた、というわけだ。真琴も東京の下町にある高校へ通う2年生。これまではおしとやかで優等生の美少女というイメージだったが、今回の真琴はキャッチボールが好きなアクティブでバイタリティーあふれる少女という設定。劇中のせりふにもあるが「運もいいけど、勘もいい」女の子なのだ。
「真琴とほぼ一緒の性格です。くじ運もいいんです。おみくじはいつも大吉。昔、町内のコスモススタンプを集めて(笑)、1等10万円を当てた。お祭りの出店でプレイステーションを当てたこともあるし、当時流行っていたたまごっちなんて何個ももらった」
よく笑い、周囲を明るい雰囲気に包み込む。映像化の歴史を振り返ると、映画の原田知世、テレビの南野陽子、内田有紀らが「時を−」から巣立っていった。タイムリープという時間を飛び越える能力を持つ少女のお話。「時をかけて何回も見たい、優しく切なくなれる作品です。私がもしタイムリープできるとしたら、3歳のときに亡くなったスウェーデンのおじいちゃんに会いたい、しゃべりたい」。完成披露試写会が行われた七夕の日、仲はそう願った。
■カラオケはロックやパンク 男性だったら肉体を鍛えたい
Q.日常生活で好きな音は
書く音。ボールペンや鉛筆が机に向かってカツカツと鳴る音。日記やデッサンを描くのが好きです。
Q.テンションが上がるのはどんなとき
朝早く起きたとき。そして、おいしそうなパンが食卓に並んでいる。クロワッサンとホットケーキが大好きなんです。
Q.カラオケの持ち歌は
ロック、パンクなどやかましい曲ばかり。ストーンズ好きの父親(41)の影響もあって洋楽で育ちました。父は190センチ、スティーヴン・セガールにそっくりです(笑)。
Q.好きな食べ物は
かんころもち。え、知りませんか? おいもを乾燥させて作ったおもち。有名ですよ。あれ、長崎だけで有名かも。いまは東京に送ってもらっています。
Q.男性に生まれていたら何をしますか
鍛えます。ひたすらプロテインを飲んでマッチョになります(笑)。