明治座「新・四谷怪談」
松井誠 お岩、伊右衛門の2役に挑戦
7月20日(木) 東京朝刊 by 生田誠
8月4日から始まる明治座(東京・日本橋浜町)の「新・四谷怪談」は、これまであまり試みられたことのないお岩、伊右衛門の2役に挑戦する大衆演劇出身の人気俳優、松井誠が話題を集めそうだ。松井は「気が引き締まる思い。人間模様は複雑だが、そこを深く追求して芝居を作りたい」と話す。
鶴屋南北原作の「東海道四谷怪談」は歌舞伎などでも人気の演目で、伊右衛門に殺されたお岩、小平らの幽霊が出る怪談としても知られる。出演者らが公演前に、四谷の於(お)岩稲荷田宮神社を参拝することが恒例となっている。今回は松井のほか伊吹吾郎、野村将希、岡まゆみ、西崎緑らが神社を訪れ、公演の安全や成功を祈願した。
女形を得意とする松井は「プレッシャーはありますが、お岩さんの一途(いちず)さ、伊右衛門の子供のようなところを出していきたい。2人の早替わりでは、瞬時になで肩にするなど(男と女の)体形を変えられる。かつらやメークもひとりで器用にできるので、大丈夫だと思います」と話した。
「新・四谷怪談」は第2部で、第1部「男伊達歌謡浪曲劇場」では、松井が5月発売の新曲「ええじゃないか」を披露。第3部「誠版レビュー女形特集」では「お祭りマンボ」「お江戸日本橋」ほかを歌い、踊る。