「格安」意地比べ
日航・全日空 期間限定、国内7700円
7月19日(水) 東京朝刊
日本航空と全日本空輸は18日、10月1日からの5日間に限り、国内線の大人片道運賃を全国の主要路線で7700円とする格安運賃を国土交通省に届け出た。予約は8月1日からの10日間限定で、席数も便ごとに限りがあるが、ほとんどの路線を対象に1万円割れの低価格をそろって申請するのは初めて。利用者には歓迎されそうだが、燃料費高騰で国内線運賃を値上げしたばかりの大手2社による限定的値下げ合戦には批判の声も上がっている。
値引き合戦の発端は日航が今月14日、今年10月に予定している国内線事業子会社の日本航空ジャパンと国際線の日本航空インターナショナルとの統合を記念して打ち出した8000円の「スペシャル・バーゲンフェア」。これに対抗し全日空が18日、日航より300円安い7700円の「超割スペシャル」を申請したため、日航は同日夜、さらに300円引き下げた7700円を再申請した。
だが、業界内では、特定期間の利用者だけを対象とした低価格競争でしのぎを削ることに反発の声も少なくない。相次ぐ運航トラブルを受けて安全管理の強化が求められている一方で、原油高の影響で昨年以降、運賃の値上げを繰り返してきた経緯があるからだ。
一方、日本証券業協会の安東俊夫会長は18日の会見で、日航の大型増資が株主総会直後に発表されたことに関し、「株主らに十分な説明がなされていない」と批判。株主をはじめとするステークホルダー(利害関係者)からの風当たりも厳しさを増しそうだ。