上半期「消費の力まだ弱い」
百貨店売上高 9年連続マイナス
7月19日(水) 東京朝刊
日本百貨店協会が18日まとめた今年上半期(1〜6月)の全国の百貨店売上高は、前年比0・3%減(既存店ベース)の3兆7140億円で、9年連続のマイナスとなった。4〜6月の天候不良が回復傾向に水をさした。「堅調だった高額品の需要が鈍っている」との声もあり、本格回復にはまだ「一進一退」(同協会)が続いている。
「地域や商品によって売れ行きにばらつきがあり、消費の力はまだ弱い」。日本百貨店協会の菊地慎二参事は上半期をこう分析した。
景気回復を背景に1〜3月は0・7%増と好調だったものの、4月以降、全国的に気温が低めに推移。夏物商材が動かず4〜6月は1・3%減少した。特に6月は週末ごとに雨が降り、客足を鈍らせた。
品目別にみると、売り上げの4割を占める「衣料品」は0・9%減。婦人服がプラスに転ずるなど好調だったものの、全体では微減にとどまった。
アクセサリーなどの「身の回り品」と、宝飾・貴金属品などの「雑貨」は、ともにプラスとなった。
ただ、高額品の動きも一服し、6月の雑貨は1・5%減と4カ月ぶりのマイナスとなった。
高島屋は「株価が調整局面に入り、富裕層には様子見の動きが出ているのではないか」とみている。
一方、「低迷していた支店の売り上げが回復している」と語るのは伊勢丹。「消費回復のすそ野が広がっている表れ」と指摘する。
7月に入り、百貨店各社はクリアランスセールに入ったが、「初売り並みの好調な売り上げ」(伊勢丹)という声も聞かれ好調に推移。夏商戦もようやく本格化し、各社の売り込みに力が入ってきた。