切ない親子愛演じる キャラメルボックス「雨と夢のあとに」
福田麻由子 初舞台で子役“卒業”
7月18日(火) 東京朝刊 by 柳谷昇子
ドラマ「女王の教室」「白夜行」などでの印象が記憶に新しい11歳の女優、福田麻由子が初舞台で主演に挑む。演劇集団キャラメルボックスの「雨と夢のあとに」(20日〜8月20日、東京・東池袋のサンシャイン劇場)。「やるからには最後まで一生懸命にやります!」と頼もしい。
原作は、父親と娘の切ない愛情をファンタスティックに描いた、柳美里の同名小説。昨年春にテレビ朝日でドラマ化された。この脚本を担当したキャラメルボックスの成井豊と真柴あずきのコンビが舞台版の脚本・演出を手がける。
福田は「舞台は感情の伝わり方がテレビと全然違う。感情移入できる。切ない物語ですが、親子の愛を感じられるし、悲しいだけじゃなく、最後は明るい気持ちになれる作品です」と話す。
成井は「この子ならいける」と福田に一目ぼれしたという。「目の表現力がすごい。役者は天性のカンを含めて賢さ、読解力、表現力が必要ですが、(福田は)頭の回転もよく、子役というのは失礼なほど」とぞっこんだ。
舞台化にあたり、成井は「親子の場面を軸に仕立て直しますが、凝縮することで、ドラマにはなかった疾走感が生まれると思います。舞台はCGもロケ映像もなく、観客の想像に委ねる余地がたくさんある。ファンタジーをやるなら舞台が一番」と話している。