バブル期超え最高
「貯蓄より投資」鮮明 株式投信46兆823億円
7月14日(金) 東京朝刊
投資信託協会が13日発表した6月末時点の概況によると、株式投資信託商品の純資産総額が前月末比1兆2821億円(2・9%)増の46兆823億円で2カ月ぶりプラスとなり、平成元年12月のバブル期に記録した過去最高額(45兆5494億円)を17年6カ月ぶりに更新、個人資産が「貯蓄から投資へ」流れたことを鮮明にした。
株式投信の純資産総額は1年前(17年6月末)に比べ43・8%増。資金運用の増額以上に、15年8月以降続く高水準の資金流入が全体を底上げしている。
6月の流入額は単月の平均流入額(約8000億円)を上回る1兆1000億円余りの好調ぶり。金子義昭・投信協会副会長は「株式市場が多少冷え込んでも、日本の投信市場の拡大基調は変わらない」とみる。
株式投信が“元気”な要因はまず、販売チャンネルの多様化だ。証券会社だけでなく、銀行や郵便局でも窓口販売が始まり、貯蓄の低金利事情もあって、日本の消費者が投信に興味を持つ機会が増えた。
投信商品の品ぞろえが充実した点も資産額底上げの要因だ。投資対象が日本株中心だったのが、今は外国株や債券など投信商品の中身も多様化しており、毎月分配型やバランス(分散投資)型など運用目的に応じた投信の購入も可能となった。