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「殺人級」荒ぶる車いすラグビー
ドキュメンタリー映画「マーダーボール」 
10月11日(水) by 岡田敏一
強化された車いすで激突し、ボールを奪い合う車いすラグビーを題材にした米ドキュメンタリー映画「マーダーボール」(公開中)。主人公である車いすラグビー米国代表チームのキャプテン、マーク・ズパンは「出演したおれができ映えに驚いた程だから、絶対楽しめる」とアピールした。

主人公である車いすラグビー米国代表チームのキャプテン、マーク・ズパン(撮影・岡田敏一)

車いすラグビーの世界大会を連覇したズパン率いる米代表チームが2002年、カナダ代表に準決勝で敗れる。カナダ代表の監督はかつて米代表で活躍したジョー。ズパンは「裏切り者ジョーにひと泡ふかせてやる」と猛練習を開始。アテネのパラリンピックで因縁の対決が火ぶたを切る…。

車いす生活の人々にスポットが当てられているため、心温まるヒューマン・ストーリーを連想し勝ちだが、この作品はまったく正反対といっていい。ズパンら出演するメンバーは、健常者が逃げ出すほどの荒くれ者かつ女好き。人生を思いっきり謳歌(おうか)しており、そのまっすぐな生き方が胸を打つ。

米国で昨年7月に公開され、「05年で最もパワフルな作品の1つ」(ワシントン・ポスト紙)などと絶賛され、05年度のアカデミー賞で長編ドキュメンタリー映画賞にもノミネートされた。

筋骨隆々の上半身。右腕には入れ墨もあるズパンは「最初は、車いすのヤツが出ている映画なんか誰が見に行くんだと思ってた。でも口コミで評判が広まり、街で知らないヤツから指さされたこともあったよ」と笑いながら振り返る。

その激しさから「マーダーボール」(殺人球技)と呼ばれるだけに、試合シーンの迫力はすさまじいが、「撮影というのを意識したのは最初だけ。約2年半の撮影期間のほとんどは映画に出演していることを忘れていた感じだったな」。

高評価については「車いすの人々の全生活を語っているうえに、スポ根の要素もある。そして何より、超クールな真実の物語だからな」と自信をのぞかせた。

今後の目標は、2年後のパラリンピックでの金メダル。映画への出演依頼があれば? 「もちろん。何でも出るぜ。ナタリー・ポートマンやマット・ディロンと共演できたら最高だよな」

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