【ワシントン=USA TODAY(スーザン・ウロズーニャ)】スペイン出身の女優ペネロペ・クルス(32)といえば、トム・クルーズやマシュー・マコノヒーらの“お相手”として名前が通っているが、同じスペインのペドロ・アルモドバル監督の新作「ヴォルヴェール」で、女優としての力量を遺憾なく発揮している。
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ペネロペ・クルスとペドロ・アルモドバル監督=トロント映画祭で |
同監督とコンビを組むのは、「ライブ・フレッシュ」(1997年)、「オール・アバウト・マイ・マザー」(99年)に次いで3度目。
「ヴォルヴェール」はスペインの町に暮らす3世代の女性を描いたもので、クルスは主婦で母親役を務めている。今年のカンヌ映画祭では脚本賞と主演女優賞(クルスら6人)を受賞。アカデミー賞外国語映画部門の有力候補とみられている。アルモドバル監督とクルスに聞いた。
――女性の世界を描くという発想は、男性社会が題材となることが多いハリウッドから見ると新鮮ですね
アルモドバル監督 「ライトやメークアップやドレスが女優陣を安心させ、互いに張り合わせる。幸運だったのは、彼女たちが本当の家族のように振舞ってくれたことだ」
――クルスについて
アルモドバル監督 「彼女のことはどの監督よりも知っている。この役には彼女のような力強い個性が必要だった。そのうえで、映画史を代表するような主婦になることを求めた」
クルス 「撮影前夜にこわくて泣き出し、母親に電話した。2人でアルモドバル監督には全幅の信頼を置いていること確認し、撮影に臨んだ」
――胸の谷間をのぞきこむようなシーンがあるが
アルモドバル監督 「この映画は母性を描いたもので、その象徴。彼女の体の美しさに敬意を払って撮影した」
クルス 「あのシーンは大好きよ」
――ハリウッドで仕事をする意向は
アルモドバル監督 「言葉の問題がある。また、ハリウッドにのみこまれて自分自身を見失うのがこわい」
――今後も2人で映画を撮る?
クルス 「ぜひとも」
――アカデミー賞は
アルモドバル監督 「考えていないけれど、念のため授賞式に備えてダイエットしておくよ(笑)」