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奇妙な共同生活描く
「暗いところで待ち合わせ」田中麗奈に聞く
11月24日(金) 東京朝刊 by 岡田敏一
25日公開の「暗いところで待ち合わせ」(天願大介監督)は、異端の小説家、乙一(おついち)の同名小説の映画化。警察に追われている男が目の不自由な女性の家に隠れ住んでしまうという筋立てだ。女性を演じる田中麗奈は「映画が伝える雰囲気や世界観、全体のトーンは私の好みのタイプ。目が不自由という難しい役柄も無事こなせました」と感想を語った。

映画「暗いところで待ち合わせ」で目の不自由な女性を演じる田中麗奈さん(撮影・岡田敏一)

交通事故で視力を失ったミチル(田中)は父親(岸部一徳)と2人暮らしだったが、突然、父が病死する。そんな彼女の家に、近くで起きた殺人事件の容疑者として警察に追われるアキヒロ(チェン・ポーリン)がこっそり住み着き、奇妙な共同生活が始まる…。

平凡な日常と、スリリングで緊張感に満ちた展開が入り交じった摩訶(まか)不思議な雰囲気。カーテン越しの柔和な陽光など、巧みな光の使い方が作品全体にしなやかな印象を与えている。

脚本を読んで「映像にしたとき、とても美しく独特の雰囲気を持った作品になる」と感じたという田中。オードリー・ヘプバーンが目の不自由な主人公を演じた「暗くなるまで待って」(1967年)などを見て演技を研究したという。

天願と一緒に目の不自由な女性の実生活を何日か見せてもらったといい、ミチルが独りで料理する場面では「実際に包丁の持ち方や野菜の握り方、確認の仕方、出来上がった料理をキッチンからテーブルに運ぶまでの一連のしぐさなども学べた」と振り返る。

いずれ困難な役柄に挑戦する時期が来ると考えていたとか。今回の挑戦には「自分の演技は下手なりにいい味が出ていると思ってます。変にまとまってないし(笑)」。

天願の手腕も高く評価する。「全体をみながら細やかですごくリアルに撮ろうと努力していた。ミチルの感情や孤独、アキヒロとの距離感など、さまざまな感情を繊細に描いてくれた」

最近、ネーティブ・アメリカンの文化に興味を持っている。「自然の中でピュアに生きるというライフスタイルに惹(ひ)かれますね」

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