カンヌでは賛否両論
「ダ・ヴィンチ・コード」公開 各地で波紋、上映中止も
5月20日(土) 東京朝刊
ベストセラー小説が原作の
映画「ダ・ヴィンチ・コード」の公開が18日、アジアや欧州で順次始まり、各地でボイコットを求める声が上がるなど波紋が広がっている。
フランス通信(AFP)によると、国民の大多数がカトリック教徒のフィリピンでは、小説ではイエス・キリストがマグダラのマリアと結婚し、子供をもうけたが、バチカンはその事実を隠してきたとしていることについて、「信仰を侮辱している」と上映禁止を求める決議をマニラ市議会が採択。これを受けて、マニラ市のすべての映画館では公開直後に上映が中止される事態になった。
シンガポールでは16歳以下の鑑賞が禁止され、中国や韓国では教会が映画のボイコットを呼びかけた。インドでは、ムンバイのカトリック系団体メンバーが上映禁止を求めてハンガーストライキを行った。
モスクワではロシア正教会の信者らが映画館を取り囲み、抗議した。
17日のカンヌ映画祭での上映では、終了後に観客から拍手が送られたものの、上映中には失笑も漏れるなど、反応は賛否が分かれた。フランスでのチケットの売れ行きはまずまずながら、「スター・ウォーズ」や「ハリー・ポッター」シリーズの半分以下にとどまっているという。