ジョニー・トー監督 クロサワに捧ぐ
映画「柔道龍虎房」 柔道金メダリスト 瀧本誠が舞台あいさつ
5月15日(月) ENAK
「ヒーロー・ネバー・ダイ」(1998年)をはじめ、昨年のカンヌ映画祭コンペティション部門に選出された「黒社会」(2005年)など国際映画祭での評価も高いジョニー・トー監督の最新作「柔道龍虎房(じゅうどうりゅうこぼう)」の公開が始まった。
柔道をテーマにした黒澤明監督のデビュー作「姿三四郎」をモチーフに、トーが捧げたオマージュ作品だ。13日の公開初日、キネカ大森(東京都品川区)にはシドニー五輪柔道金メダリストの瀧本誠(吉田道場所属)が応援に駆けつけ、舞台あいさつした。
6月4日に「PRIDE武士道グランプリ」(さいたまスーパーアリーナ)を控える瀧本。会場には多くの女性ファンが詰め掛けた。瀧本は「この映画には男の熱い“魂”みたいなものを感じました。日本では競技としての柔道ばかりが目立ちますが、この『柔道龍虎房』をきっかけに競技と違ったおもしろさが伝わるといい」と話した。
<<柔道界で「柔道小金剛」とまで呼ばれたトップ選手のシト・ポウ(ルイス・クー)は、数年前に突然柔道を辞め、酒場の雇われマスター兼バンドリーダーとして酒におぼれる自堕落な生活を送っていた。ある日トニー(アーロン・クォック)という男が酒場に現れ柔道の勝負を申し込む。無視をしていたシトだが、なぜかトニーが気になる。日本で歌手になることを夢みるシウモン(チェリー・イン)も酒場に現れ、奇妙な3人の生活が始まった…>>
物語はさらに、さまざまな人間がシトの酒場に夢を持ち寄ってくる。シトの恩師の息子、チン(カルバン・チョイ)が劇中で歌うのは、日本で昭和45年に放送されたテレビ版「姿三四郎」の主題歌。
その主題歌をうたっていた歌手、姿恵子が瀧本に続いて登壇。
「当時うたっていた私も青春真っただ中でした。この映画を見ながら“青春って絶対にあるんだ”って思いました。懐かしさも感じましたね。この歌は、人生や勝負、人生観を歌っている歌です」
夢を追いかける元柔道家を香港のイケメンスター、ルイス・クーとアーロン・クォックが熱演する。ヒロインに台湾出身のチェリー・イン。そして今やベテランとも言えるレオン・カーファイが、3人の青春模様の脇を固めていることでも話題。