ドヴィル学校 最後の卒業生
フランス映画「恋は足手まとい」
6月23日(金) 東京朝刊 by 松本明子
長年にわたってフランス映画界に貢献してきたミシェル・ドヴィル監督の引退作品となる「恋は足手まとい」(24日公開)。今年75歳のドヴィルは、これまでにフランスを代表する多くの女優を演出してきた巨匠。「女は夜の匂い」(1963年)のミレーヌ・ドモンジョ、「めざめ」(68年)のカトリーヌ・ドヌーヴ、「気まぐれに愛して」(70年)のブリジット・バルドー、「二人の女」(79年)のドミニク・サンダ…ドヴィルの手によって美しく、ときには妖しく操られた女優たち。今回、自身の最後の作品に熱望した女優がエマニュエル・ベアールだ。


ドヴィルは「かねてから一緒に仕事をしたいと考えていた。それも最近演じていた重い役とは対照的な役どころを用意したいと思った」という。そこで誕生したのが、ベアールの初主演コメディー。舞台は19世紀のパリの社交界。裕福で美しい歌姫、リュセット(ベアール)のエレガントでしたたかな恋の駆け引きが描かれる。

原作は、モリエールと並ぶフランスの劇作家、ジョルジュ・フェドー。ドヴィルはその魅力を「滑稽で残忍」とし、「野望に満ち、金にものをいわせるといったボードビル特有の様々な要素が混ざったところを映像として残したかった」と話す。

ベアールは、ドヴィルとの仕事を終えた後、「口数は少なかったが、重要なことを軽やかに、しかも力強く言えることを教えてくれた」と感謝していたという。ちょっとお年を召したかなという印象は否めないが、ベアールの小悪魔的な魅力は健在である。


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