兼六園などでロケ 西田敏行、三國連太郎ら気合十分
「釣りバカ日誌」 19作目は石川の魅力満載
6月21日(水) 東京朝刊 by 戸津井康之
通算19作目となる人気シリーズ「釣りバカ日誌17」の撮影が石川県で行われた。能登半島近海や伝統工芸の輪島塗、兼六園など石川の魅力をふんだんに盛り込んだ内容。西田敏行演じる釣り好き会社員ハマちゃんと三國連太郎演じる建設会社社長スーさんの名コンビは健在だ。ロケ現場はキャスト、スタッフの気合に満ちていた。
金沢市の兼六園。メガホンを執るのはシリーズ4作目となる朝原雄三監督。「本番、スタート!」の合図で西田と三國、それに輪島塗職人を演じる片岡鶴太郎が三つ巴で激論する撮影シーンは緊張感漂うが、大勢の観光客に見守られた現場は和やかムード。石川県側の熱烈なラブコールにこたえての撮影で、県職員らが大勢スタッフとして参加した。
西田が「春の桜の花見の後はスーさんの顔を見ないと僕の一年は始まらない。日本海の魚はおいしくロケは最高です」と言えば、三國も「金沢にちなみ文学色豊かな作風を出せれば」と意欲を見せた。
脚本は今回も朝原と師匠の山田洋次との共同執筆。が、セリフ回しなどに現代センスを取り入れた“朝原節”を随所に織り込んだ。
≪ハマちゃんが所属する鈴木建設営業三課に、社長秘書だった弓子(石田ゆり子)が職場復帰する。課員は喜ぶが、なぜか弓子は元気がない。ハマちゃんは石川県でケアセンター建設の受注を受けて出張するが、仕事そっちのけで釣り三昧(ざんまい)。故郷の輪島に帰省中の弓子と街中でばったり出会う。弓子の兄(片岡)は輪島塗職人で…≫
初共演の片岡は漆塗りの経験が長く「この役は私のためにある」と張り切り、石田は「焼物には昔から興味があり、ずっと石川に居たいぐらい」と熱い思い入れを語る。また、昨年の松竹110周年記念新人女優オーディションでグランプリを受賞し、今作で映画デビューする海老瀬はなは「大先輩の中で毎日緊張してます」とフレッシュな空気を振りまいていた。
平成元年に始まり、いまや日本を代表する老舗シリーズに成長。「年齢不詳のままずっとこの役を続けていきたい」と三國は語り、西田も「記念の20作目が今から楽しみ」と続投を強くアピールした。
全国公開は8月5日から。