新サスペンス幕開け
「インサイド・マン」スパイク・リー監督に聞く
6月9日(金) 東京朝刊 by 松本明子
デンゼル・ワシントン、クライブ・オーウェン、ジョディ・フォスターという豪華な出演者で繰り広げられるサスペンス映画「インサイド・マン」(10日公開)。誰もが完璧(かんぺき)であると感じた銀行強盗。「完全犯罪」を描いた作品は数多く存在するが、本作で驚くべき展開と結末を演出したのが、スパイク・リー監督。「ドゥ・ザ・ライト・シング」(1989年)、「マルコムX」(92年)など社会派の問題作を世に送り続けているアフリカ系米国人の実力派監督である。

インサイド・マン

「脚本がすべて」と考えるリーは、今回がデビュー作となった新鋭のライター、ラッセル・ジェウィルスを絶賛する。

「人質たちに犯人と同じ服を着せる発想は斬新だよ。この物語はサスペンスの分野に新たな方向性を見いだしたね。同時にオマージュ的な映画としても扱えると思ったんだ。例えば、アル・パチーノとジョン・カザールで緊迫のドラマを作り上げた『狼たちの午後』(1975年)のような。僕にとってこのジャンルは、映画への称賛でもあるんだ」

米ニューヨークのマンハッタン信託銀行で強盗事件が発生する。冷静沈着な頭脳犯、ダルトン(オーウェン)は人質全員に自分たちと同じ格好をさせるという陽動作戦をとる。犯人と渡り合うフレイジャー捜査官(ワシントン)。そこにキーパーソンとして有能な弁護士、マデリーン(フォスター)が登場する。そして、その背後には狼狽(ろうばい)する銀行の会長(クリストファー・プラマー)がいるのだが、犯人の要求は何なのか−。

警察の突入と同時に、覆面姿のジャンプスーツの人々が表へ飛び出してくる。誰が犯人なのか、誰が人質なのか。スリルに満ちた光景だ。

「本当はここから完全犯罪が始まる。でもこれは絶対に記事にはしないで! 確実な答えはあります。教えたいけど、日米は遠く離れているし、書くか書かないか、僕は確認できないから、やっぱり嫌です(笑い)」

サスペンスものの結末は、もちろん見てのお楽しみ。主要スタッフ、キャストだけで5度の米アカデミー賞受賞者がそろった話題作である。

spacer.gif

お気軽にメールをください。ここをクリックするとお使いのメールソフトが自動的に起動します。

この画像をクリックすると銀幕旅行のサイトに飛びます

この画像をクリックするとTVnaviのサイトに飛びます

この画像をクリックするとTVnaviのサイトに飛びます

産経Webは、産経新聞社から記事などのコンテンツ使用許諾を受けた(株)産経デジタルが運営しています。
すべての著作権は、産経新聞社に帰属します。(産業経済新聞社・産経・サンケイ)
(C)2006.The Sankei Shimbun All rights reserved.