本広克行監督作品「UDON」
うどんもロケも…熱々!
6月1日(木) 東京朝刊 by 戸津井康之
「踊る大捜査線」シリーズを手掛けるヒットメーカー、本広克行監督が新作映画「
UDON(うどん)」を香川県で撮影した。地元の丸亀市出身である本広にとってうどんは最も身近で特別な食べ物の一つで、「いつか映画化したい」と温めてきた企画。ロケには郷土の食文化をアピールしようと、地元のうどん好きたちが多数エキストラとして参加し、“熱い”ロケ現場となった。
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老舗うどん店「山越」で行われたロケ。本広克行監督(左端)と演技の打ち合わせをするユースケ・サンタマリア(右から2人目)と小西真奈美(同3人目) |
タイトル通りテーマはうどん。監督自身が食べ歩いた約200軒から個性豊かな店を厳選し、現地ロケを敢行した。讃岐うどんの名店が実名でスクリーンに登場する。
《香川のうどん店の息子、香助(ユースケ・サンタマリア)はエンターテイナーを目指し故郷を捨て渡米するが、夢破れ帰郷。ふてくされていたが、地元タウン誌の編集者、恭子(小西真奈美)と知り合い、うどんの真の魅力に目覚め…》
県内1、2の人気を誇る老舗「山越」でのロケは、休業日の日曜に看板を掲げてスタート。通常の営業日を再現するため、地元の住民らエキストラ約200人が客役として協力し、列を作った。「虚構と現実が入り交じった不思議な作品にしたい。僕もまだ見たことがないような…」。長期ロケで真っ黒に日焼けした本広がニヤリと笑った。
主演のユースケは、本広とは「踊る−」シリーズからの付き合い。「監督とは勝手知ったる仲ですが、今までの現場で一番楽しそう。僕は香川ロケの約1カ月半、毎日うどんを食べ続けています。1日で9玉食べたときはさすがに苦しかったな」と笑う。また、ヒロインの小西も「1日3食うどんの日もあって最初は戸惑ったけど、今では撮影のオフにもうどん店巡りをしています」とすっかりうどん通に。
「うどんのためなら」とロケに協力した同店の山越芳信代表は「どんな作品になるのか楽しみ。うどんブーム再来のきっかけになればうれしいですね」と期待を込める。
CGなどの編集は、本広が所属する映像製作会社「ROBOT」が手掛ける。村上公一プロデューサーは「テレビから派生した『踊る−』とも、漫画原作の『ALWAYS 3丁目の夕日』ともまったく違うオリジナルジャンルの作品にしたい」と語る。8月下旬に公開予定。