「アルプスの少女ハイジ」など
増える 人気アニメの実写版映画
7月14日(金) 東京朝刊 by 松本明子
人気アニメの実写版の映画公開が目立っている。洋画でいえば、今年に入って「イーオン・フラックス」「ピンクパンサー」などが公開され、今年後半にも「X−MEN:ファイナルディシジョン」(9月)、「名犬ラッシー」(12月公開)などの大作が控える。そんななか、「
アルプスの少女ハイジ」の実写版「ハイジ」が15日から上映される。世界中の誰もが知っている名作アニメ。実写ブームに拍車がかかりそうだ。
名作アニメの実写映画は、過去には「サウンド・オブ・ミュージック」「赤毛のアン」「若草物語」「リトル・プリンセス」「フランダースの犬」などが有名。洋画に限らず、邦画もアニメの実写版が人気を呼んでいる。2年前の「キューティー・ハニー」「NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE」、昨年は「タッチ」がヒットした。
「ハイジ」の原作は1880年に執筆されたヨハンナ・シュピリの小説。世界でたびたび映画化、テレビアニメ化されているが、実写として有名なのは、古くはシャーリー・テンプル主演の「ハイディ」(1937年)、チャーリー・シーンがペーターを演じた「アルプスを越えて」(89年)などがある。なかには、ハイジがインターネットを使いこなす一風変わったドイツ映画「Heidi」(2001年)も。
今回は初のイギリス映画として製作された。ハイジには10歳のエマ・ボルジャー、アルムじいさんはスウェーデンを代表する国際的俳優、マックス・フォン・シドーが演じている。ポール・マーカス監督は「われわれの映画では、ハイジはより自由な意志を持つキャラクターになった。人々の生活に光をもたらすような資質を彼女に与えた」と語る。
シネマ・コーディネーターの碧川雄三さんは「アニメ『指輪物語』を実写化した『ロード・オブ・ザ・リング』3部作(2001〜03年)の世界的な大ヒットが、製作者側に大きな自信をつけさせた」と分析。さらに、傾向として「世界の名作アニメの実写化はよりリアルに、観客に新しいイメージを植えつけさせようとしている。今後はコンピューターグラフィックス(CG)多用でさらに豪華に製作されていくでしょう」と話している。