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“日本美”表現の先駆け
溝口健二監督 没後50年映画祭 
8月18日(金) 東京朝刊 by 松本明子
日本を代表する映画監督、溝口健二の没後50年映画祭「溝口健二の映画」が開かれ、各地で特別企画が組まれる。

溝口健二監督 没後50年映画祭

海外では黒澤明、小津安二郎と並び、日本が生んだ偉大な監督として高い評価を受けているが、日本では過去15年間、本格的な特集上映が行われていないことからもわかるように、一般の知名度は今ひとつ。しかし、モダニズムの魅力にあふれる溝口映画を再評価する機会が増えてきた。映画関係者は「『国家の品格』がベストセラーとなるなど日本が本来持つ“美”を見直そうとする機運が高まっている。映画において真っ先にその“美”を海外から認められたのが溝口作品」と話す。

映画祭は9月9日から東京・恵比寿ガーデンシネマほか全国順次公開される。上映作品は、ヴェネチア映画祭銀獅子賞を受賞した「雨月物語」(昭和27年)「山椒大夫」(28年)などニュープリントの8本をはじめ、急逝前の幻の企画を吉村公三郎監督が蘇らせた「大阪物語」など全19本となる。

映画「雨月物語」の一場面

そのほかの企画としては、「国際シンポジウムMIZOGUCHI2006」が8月24日、有楽町朝日ホールに国内外の映画監督や出演女優を招き開催される。

また、NHK−BS2では同26日から代表作11本を一挙オンエア。「時代を越える溝口健二」と題した特別番組も29日に放送される。

海外でも、カナダ・オンタリオから始まり北米20都市で巡回上映されている。さらに、映画会社4社が共同キャンペーンを展開し、今月下旬から「雪夫人絵図」(25年)、「西鶴一代女」(27年)などが待望のDVDとなって発売される。

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