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「ワールド・トレード・センター」
9・11、政治色抑え映画化 ストーン監督作品
8月7日(月) 東京朝刊 by 松尾理也/ロサンゼルス
米中枢同時テロから5年を前に、現場で救助に当たった警察官をモデルにした映画「ワールド・トレード・センター」(オリバー・ストーン監督)が9日から全米で公開される。乗っ取られた航空機の乗客の行動が題材の「ユナイテッド93」に続き、9・11をテーマにした大作の公開は今年2本目となる。

「ユナイテッド93」の公開の際は「描写が生々しすぎる」などの批判があった。今回の作品についても米紙ウォールストリート・ジャーナルは「5年後の今でも同時テロは商品にするには難しい」と疑問を呈した。

その一方で、公開を前にした米メディアの反応はおおむね好評。ストーン監督は「『ユナイテッド93』は氷を溶かした」と述べ、今後、9・11を題材にした作品が続々と制作されるだろうとの期待を示した。

ケネディ元大統領暗殺を扱った「JFK」などで「陰謀史観の持ち主」と批判されてきたストーン監督は今回、政治色を極力抑えた。選挙区に9・11の遺族を多く抱え、制作に懸念を表明してきたキング下院議員(共和党)も「米国にとって、この映画は重要だ」。

米紙ロサンゼルス・タイムズは、公開に先立ち映画会社側が保守系の政治家らと意思疎通の努力を行ってきたと指摘。英国人監督の「ユナイテッド93」ではまったく行われなかったという。

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