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「台詞の99%が悲鳴」
金曜プレステージ「悪魔が来りて笛を吹く」秋吉久美子に聞く
  東京朝刊 by 安藤明子
稲垣吾郎が名探偵・金田一耕助を演じるシリーズの第4弾。元子爵の椿家で起こる連続殺人事件のキーパーソン、椿秋子にふんして妖(あや)しげな存在感を漂わせている。


「秋子はエキセントリックな女でせりふの99%が悲鳴。罪という名詞が生きているような女だけど、華族という閉鎖された環境の中で育ったお嬢様だから罪の意識もなければ生活感もない。おおよそ知性的でない女ね」と、いきなり“秋吉語録”炸裂(さくれつ)だ。

『99%悲鳴』はオーバーにしても確かに台本の8割近くは「(悲鳴)」「あ!」「きゃっ!」「!」という文字と記号…。「助走なしで(走り幅跳びの)幅跳びをする選手のようなもの。間を埋めるもの(言葉)がないのは結構大変」と苦笑するが、“瞬間芸”の緊張感を存分に味わった様子だ。

秋子のカラーとして監督がこだわったのが“情念と血の赤”。「赤を飾り襟や帯揚げに使うのだと思ったら着物がぜ〜んぶ赤。赤は基本的に七五三のお嬢ちゃんの色だし、せいぜい成人式どまりだから」と戸惑いもあったが、その着こなしも見どころだ。

“悲鳴&赤”の秋子の役作りはさぞかし大変だったと思いきや、「役作りとかは全然分析してないの。分析しなきゃいけない場合もあるけど、今回はそれよりも現実離れした世界観を醸し出せたらいいなと…」。さすがベテランらしい“読み”だと感心したのだが、「ベテランといわれるのは好きじゃない。いつも新人のように一から向き合っていたい。慣れちゃいけないし、慣れさせてくれないから、今まで女優を続けられてるのね」。ごもっともデス。



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