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音楽機器から配信サービスへ転化
東芝、音楽事業撤退 ネットの波…構造変化
  東京朝刊 by 田端素央
東芝が東芝EMI株の全株売却に踏み切るのは、電機メーカーが音楽などのコンテンツ(情報の内容)制作会社を傘下に置く“大義名分”の弱まりを物語っている。背景には、音楽のネット配信の普及や「インディーズ」と呼ばれる中小レコード会社の台頭など、音楽産業を取り巻く状況の変化がある。電機業界からは「本業に対するコンテンツの貢献度は低下した」(電機大手)との声も聞かれる。

ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)は昭和57年に世界初のCDを発売。ソニーは「本体のコンポ事業開始などの際に大いに貢献した」といい、昨年9月に示した中期経営計画でも本業の電機やゲームと並んで「(音楽、映画の)エンタテインメントに集中投資する」ことを掲げた。実際、音楽事業は利益率も高い。

ただ、ネットの普及でこうした“成功体験”が通用しなくなってきた。CD販売は減少の一途をたどり、平成8年に4億4800万枚だった生産枚数は昨年3億枚にまで減った(日本レコード協会調べ)。

一方、音楽配信はこれに反して拡大中だ。今年1〜6月のパソコンや携帯電話への配信(有料のみ)は、前年同期比62%増の1億8000万回に達した。SMEや東芝EMIなど音楽大手はこぞって配信ビジネスに参入している。

さらに、インディーズの台頭などで音楽大手の存在感は薄らぎつつある。大手所属歌手のインディーズ移籍も珍しくなくなった。また、米国ではネットのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で評判になりスターダムにのし上がった歌手もいる。「今の音楽業界は昔のようにお金も『ドブ板営業』も必要ない」(音楽業界関係者)のが現状だ。



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