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NHK、民法5社の機器 重さ合計600トン
東京タワー、地デジ送出施設公開
  東京朝刊 by 岡本耕治
1日から全都道府県での放送が始まった地上波デジタル放送。東京都港区の東京タワー(333メートル)から、関東地方一円にNHKや民放5社のアナログ、デジタル双方の放送が送り出されている。今回、NHKが地デジの送信機器を報道陣に公開した。

地上250メートル。東京タワーの特別展望台屋上から、地上デジタル放送用送信アンテナ群を見上げる報道陣=東京都港区

東京・渋谷の放送センターから光回線で送られてきた放送を増幅し、送信するのが役割だ。収められているのは、地上約150メートルにある大展望台の下部。もともと何もなかった部分を二層構造にし、上部をNHK総合と教育、下部を民放5社が使用している。

いくつもの扉をくぐって中に入ると、狭い室内に巨大な機器がずらりと並ぶ。地デジ用の送信装置は300ワットのパワーアンプを20台連結したもので、高さ2メートルほどの装置2台、予備機1台の計3台で構成されている。

民放5社の送信装置も含めると、計600トン。これは東京タワーの総重量の13%にあたる。この重さに耐えるため、東京タワーは大規模な補強工事を行ったほどだ。

改修にあたり、東京都が「タワーの美観を損ねないように」とクギを刺したため、スペースを広げることができず、極めて狭くなった。そこで、各局は不公平にならないように同一機材を購入し、センチ単位で置き場所を決めたという。

エレベーターで地上250メートルにある特別展望台の屋上に向かい、地デジの電波を送信しているアンテナ群を仰ぎ見た。タワー上部にある紅白に塗られた筒状の部分だ。300枚のアンテナで360度に送信している。

雨がぱらつく中、屋上から周囲を見回すと、ほぼ同じ高さの六本木ヒルズなど高層ビルがあちこちに目立ち、案外高さを実感できない。NHKの担当者も「意外に電波が届いていないというのが実感」と話す。

23年から電波塔の役目は、新たに墨田区にできる高さ610メートルの新タワーに移る。映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のように、関東平野にすっくとそびえる東京タワー、というイメージは過去のものになりそうだ。



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