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7割ドラマ 3割ドキュメンタリー
「戦場の郵便配達」 硫黄島、もうひとつの感動
  東京朝刊 by 松本明子
太平洋戦争最大といわれる激戦地、硫黄島が注目されている。クリント・イーストウッド監督作品「硫黄島からの手紙」が公開される9日、フジテレビは硫黄島のもうひとつの感動ドキュメンタリードラマ「戦場の郵便配達」(土曜後9・0)を放送する。  

「戦場の郵便配達」

東京から南1200キロに位置する、面積わずか22平方キロの小さな硫黄島。灼熱(しゃくねつ)地獄に苦しむ兵士たちの心の支えは「手紙」だった。本土で暮らす家族を思いやる文面、一方で夫や息子を気遣う妻や母からの言葉…心待ちにするその手紙を届け続けた男が、木更津航空隊の根本正良少尉(伊藤淳史)だった。番組では、根本パイロットと、彼の鈴鹿航空隊時代の教官である市丸利之助海軍少将(藤竜也)の2人に焦点をあて、硫黄島の戦いに生涯をささげた男たちの生きざまを描く。

伊藤は「まだそんなに昔ではない、僕と同世代もしくは下の若者たちが辛く、苦しい時間を送っていたことを台本で改めて認識しました。決して忘れてはいけないということを伝えたい」と話す。11月中旬には来日中のイーストウッド監督と対面する機会があり、「極限を超える緊張」のなか、「僕の作品も見てください」とPRしてきたという。

藤は役に入る前に、市丸少将の3人の娘に手紙をしたためた。「すぐに感動的なお手紙を返していただいた。どの民族にも忘れてはならない人々がいるわけで、時々は思いださないといけないのでは。亡くなった人々の気持ちを傷つけないように真摯(しんし)に仕事をさせていただきました」と語る。

成田一樹プロデューサーによると、いまも存在する手紙のなかには、娘の自転車の漕ぎ方を気にする父、襖のすきま風を塞ぐように伝える夫など身近な出来事をつづるものが多くあったという。

ちなみに根本少尉は、安倍晋三内閣の根本匠首相補佐官(経済財政)の父である。

編成部の立松嗣章は「企画の柱は事実であるという一点。7割がドラマ、3割がドキュメンタリーで、3姉妹の方々のインタビューなども盛り込んでいきます」。河口恭吾のエンディングテーマ「景〜hikari」が心に染み入る。



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