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2規格併存のまま次世代DVD船出
「ブルーレイ」ソフトが11月から発売 
8月30日(水) 東京朝刊 by 田端素央
次世代DVD「ブルーレイ・ディスク(BD)」を推進する機器メーカーや映画会社など19社は29日、BD規格の映画ソフトなど75タイトルを11月から順次発売すると発表した。次世代DVDをめぐっては対立する「HD DVD」陣営との規格争いが激化。年末にかけ両陣営は対応機器を続々と投入する見通しで、「VHS対ベータマックス」のビデオ戦争のように規格併存のまま、次世代DVD市場は「船出」を迎える。

「ブルーレイ・ディスク」対応ソフトは名作映画などがそろい、報道陣の注目を集めた=29日、東京・六本木のグランドハイアット東京

決起
この日の発表会には、ソニーや松下電器産業などの機器メーカー5社、ウォルト・ディズニー、20世紀フォックス、パラマウントといったハリウッドを代表する映画会社の日本法人などソフト会社12社の幹部が勢ぞろいし、口々に「秋以降、圧倒的に魅力的なBDワールドを展開する」とアピールした。

BDソフトは北米ですでに80〜90タイトルが発売されているが、国内発売は初めて。機器メーカーを代表してソニーのテレビ・ビデオ事業本部の西谷清副本部長が、「映画館の品質に加え、家庭でしか楽しめない仕組みを用意する」と表明。メディア評論家の麻倉怜士氏も「ハイビジョン放送より高画質・高音質だ」と応援し、会場は“決起集会”の様相を呈した。

攻勢
西谷氏が、「各社これから(発売が)相次ぐので、それに先立って発表会を開くことになった」と明かすように、年末にかけてBD関連機器は新発売が相次ぐ。

今秋にソニーや松下、パイオニアが北米で再生専用機を発売。松下の蓄積デバイス事業戦略室の小塚雅之室長は「クリスマス商戦には(50ギガバイトの)2層ディスクが出てくる」と述べ、大容量の優位性を強調する。

また、ソニーはBD普及のカギを握るとされる次世代ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」を11月に発売。平成18年度中に全世界で600万台を出荷する計画だが、現行DVDを爆発的に普及させたPS2の成功を「再現できるか」が注目される。

対抗
一方、HD DVD陣営の東芝は「ハード、ソフトとも当社が市場で先行している」と訴える。3月に再生機を発売し、7月末に録画再生機を国内発売しているからだ。

HD陣営のソフトは「アポロ13」「ラストサムライ」など国内24、海外65タイトルがそれぞれ発売(8月末時点)され、年内には国内70、海外200に増やしてBD陣営に対抗する。

昨年まで行われた両陣営の規格一本化の交渉は事実上決裂。機器・ソフトとも2規格が併存する形となった。「いずれは両規格に対応した機器が発売される」(メーカー関係者)との観測も根強く、規格争いの先行きは不透明なままだ。



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