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質にこだわり、費用上昇傾向
ホテル挙式が復活の兆し 
8月26日(土) 東京朝刊 by 橋本亮
ホテルウエディングに“復活”の兆しが出てきた。ここ数年、レストランや専用施設での結婚式に押され気味だったが、今年は都内の各ホテルでの婚礼件数が前年を大きく上回るぺースで伸びている。晩婚化傾向も手伝って「質」へのこだわりが強まり、一人あたりの費用も上昇傾向。各ホテルは改装やサービス充実などで“ホテル回帰”の流れを定着させようと工夫を凝らしている。

イメージ向上も
東京全日空ホテルでは、今年度の婚礼件数(予約を含め)が対前年度比で50件アップ、ホテルオークラ東京も昨年度と比べて115%と好調。京王プラザホテルでも今年に入って件数が15%増加しているという。

景気回復の影響は大きいが、「宴会場や挙式場のほか、レストラン・バー・ラウンジを含めた総合的施設の充実や、ブランドによる安心感、交通アクセスなどの利便性など、本来のホテルウエディングの優位性が見直されてきた」(全日空ホテル)ことに加え、外資系の超高級ホテルの相次ぐ参入により、「ホテル全体のイメージが高められ、ホテルウエディングに対するあこがれが高まっている」(ホテル関係者)こともあるようだ。

晩婚化が影響?
一人あたりの費用の上昇も顕著になっている。

ホテルオークラでは、一昨年から今年にかけて平均客単価が3000円増え、4万9000円に上昇。全日空ホテルも10%増になったほか、京王プラザホテルでは一人あたりの料理価格が、昨年は1万6000〜1万8000円だったものが、今年は3万円近くのものにも人気が集まり始めているという。

 「晩婚化に伴い、結婚時にある程度のお金を持った人が増え、自分のこだわりやもてなしにお金をかけるようになった」(ホテルオークラ東京)ことが要因の一つとみられ、各ホテルではそうしたこだわりニーズに応えようと、誓約書にサインの際のペンを高級ブランドものにしたり、高級シャンパンでの乾杯サービスなどを実施。「個」を重視したテーブルクロスや飾花のバリエーションを増やすほか、料理、飲み物の充実を図っている。

「和」への回帰
また費用の上昇の背景には「和」への回帰にもあるようだ。昨年のロイヤルウエディングの影響もあり、お色直しにドレスに比べて割高となる和装を取り入れる婚礼が増加しているという。

高輪プリンスホテルは改装中の宴会場を、「和婚」スタイルに対応するため、宴会場のデザインコンセプトを「大正ロマン」に設定。春には数種類の桜が見られるようにする。全日空ホテルも神殿の改装を実施、9月にリニューアルオープンする予定で、注目を集める「和」トレンドの需要に対応する考えだ。



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