新進ロックバンド、Aqua Timezが快調だ。日常の機微や喜怒哀楽を洗練されたサウンドに乗せて表現し、昨年出したミニアルバムは今年に入ってオリコン1位を獲得、一躍人気バンドの仲間入りを果たした。最新作「決意の朝に」も飾らない言葉とソフトな音色が世代を超えて支持されている。
|
左からOKP−STAR、太志、mayuko、大介。この4人に先月からドラムのTASHHIも加わった |
バンド結成は3年前。東京の渋谷や吉祥寺などで路上ライブを繰り返し少しずつ人気を高めた。
昨年8月に出した初のミニアルバム「空いっぱいに奏でる祈り」は当初オリコンのチャートにも入らなかったが、収録曲「等身大のラブソング」が有線などで流れると一気に人気に火が付いた。発売3カ月後に144位にチャートイン。じわじわ上昇して今年2月、1位にまで上りつめた。
「最初は実感がなかったんですけどチャートインしてから気になり始めた。パソコンの(ランキングの)画面をデジカメで撮ったことがあるんですよ。記念に1回撮っておこうかなあと」。唯一の女性メンバーでキーボードのmayukoは笑いながらそう振り返る。
最新作「決意の朝に」は映画「ブレイブストーリー」の主題歌だ。居場所のない孤独感や辛い境遇を受け入れて、自分らしく歩む勇気を見いだそうとするメッセージソング。鮮度のいいメロディーと相まって、詞の内容がまっすぐ伝わる。
作詞作曲を手がけるボーカルの太志は「あんまり難しい言葉は選ばないようにはしています。言葉そのものの力を信じて書いているので、それを普遍的なものにするのが理想」と語る。
バンドとしての明確な目標は定めていないという。「たぶん(やりたい音楽は)いろいろ変わってくると思うんですよ。その時々に。それでいいんじゃないかと。あんまり縛っちゃって、自分たちが楽しくなくなっても意味がないし」とギターの大介。そうした自然体の姿勢は、楽曲にも現れている。
先月、ドラムのTASHHIが新メンバーとして加わった。5人組で再出発し、現在は全国ツアーを展開中だ。24日には、東京・お台場のZepp Tokyoのステージに立つ。
「バンドという形態である以上、やっぱりライブが一番の勝負」とTASHHI。ベースのOKP−STARも「ライブを聴いて『CDよりもいいよね』っていってもらえるようになりたい」と意気込みを語った。